【導入企業が解説】フリーアドレスとは?導入のメリット・デメリットを事例付きで紹介
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リモートワーク・ハイブリッドワークの普及やオフィスの見直しにより、オフィスをフリーアドレス化する企業が増えています。
しかし自社や自部門にフリーアドレス制を導入して本当に効果があるのかどうか心配に思うことがあると思います。
この記事では実際にフリーアドレスを導入している自社の経験からわかったフリーアドレスのメリット・デメリットを解説します。
また、電話のいらないオフィスの受付システム『RECEPTIONIST』のような、フリーアドレス化と同時に導入すると便利なITツールも紹介し、失敗しない導入手順をお伝えします。
▼目次
フリーアドレスでバックオフィス業務が増える!?
働きやすい環境づくりや社内コミュニケーション強化のために導入されるフリーアドレスですが、フリーアドレス導入によってバックオフィスの業務が増えてしまう懸念があるのを知っていますか?
フリーアドレス導入による1つの課題に「社内で誰がどこにいるのか分からない」ということがありますが、これにより「来客があった際、担当者がどこにいるのか社内を探し回らないといけない」という問題が発生します。
多くの企業において、オフィスの来客対応は総務部門などバックオフィスの方が対応することが多いため、この対応のためバックオフィスの方に余計な作業が増えてしまうのです。
そんな課題を解決するのが、クラウド受付システムの『RECEPTIONIST』です。来客の際、ビジネスチャットやメールで担当者に直接通知をするため、社内のどこにいても来客対応ができるようになります。
RECEPTIONISTを利用することで、フリーアドレスでもバックオフィス部門の方が余計な負担を増やすような心配はなくなります。
フリーアドレスとは?意外にも日本発祥?
フリーアドレスとは、従業員が固定された個々の自席を持たず、業務に合わせて自由に働く座席を選択できるオフィス方式のことです。
従来のオフィスですと、決められた位置にデスクを配置し、それぞれ1台ずつデスクが「自席」として与えられ、その場所で働いていました。
その「自席」という概念をなくし、空いている席や自由な場所で働くことができるワークスタイルです。
フリーアドレスの目的とは?
近年フリーアドレス導入のニーズが高まっていますが、導入をする、もしくは導入を検討する企業は、どういった目的があるのでしょうか?
フリーアドレス化を検討するケースとしては、以下のような目的が挙げられます。
- 部署間やメンバー間でのコミュニケーションの強化
- オフィス空間を有効活用・賃料コストの効率化
- リモートワーク移行など、働き方環境の改善
フリーアドレスがはじめて登場したのは日本!?
フリーアドレスという概念は、実は日本が発祥というのをご存知でしょうか?
1987年3月、清水建設株式会社の技術研究所にて世界で初めて実現しました。ただし、当初はOA機器などオフィス設備の増加に伴うスペース不足解消のための策だったとのこと。
それから30年以上が経過した今、当初の目的や背景とは異なる、組織の生産性向上や働き方の改善を重視した取り組みへと、変化を遂げました。
フリーアドレス導入で得られるメリットや効果
「スペースの有効活用」以外にも、オフィスをフリーアドレスにすることでたくさんのメリットや効果を得ることができます。
今回はその中から3つを紹介します。
- チームや部署を超えたコラボレーションが促進される
- オフィススペースの削減により、スペースを有効活用できる
- ツール活用による業務効率化でリモートワーク実現など働く環境を改善できる
チームや部署を超えたコラボレーションが促進される
フリーアドレスになると、フリーアドレス導入前には顔を合わすことがなかった他部署の社員とも、コミュニケーションが発生しやすくなります。
フリーアドレスによりさまざまな人と接点ができれば、それだけ新しいアイデアが浮かびやすくなります。
そのため、部署やチームなどの壁を超えたコラボレーションが促進される効果を期待できます。
また、フリーアドレスのオフィスとして、デザインやレイアウトにこだわることが可能です。
オフィススペースの削減により、スペースを有効活用できる
フリーアドレスのもともとの目的はスペースの有効活用です。
フリーアドレスの場合、必ずしも従業員全員分の机や椅子を必要としません。
外回りの社員やクライアントの元で作業することが多い社員などがいる場合、社内で使われることが少ないデスクスペースも合わせて削減可能です。
レイアウト次第では、現状よりも座席数を減らして広々としたオフィス空間を作ることができ環境美化に役立ちます。
一方、コストを抑えたい場合には、より狭いスペースのオフィスに移転する余地もあるでしょう。
オフィス移転については、こちらの記事でも詳しく解説しているので、よければご覧ください。
ツール活用による業務効率化でリモートワーク実現。働く環境を改善できる
フリーアドレスの場合、オンライン上のビジネスチャットなどデジタルツールを利用して業務内容を共有したり、ミーティングを行ったりすることが多くなります。
そのため、会議のたびに印刷していた膨大な資料もオンライン上で共有や送信が可能になるので、ペーパーレス化となり自然とコスト削減も可能となるのです。
これが実現できると、さらに働く場所や時間にも制限がなくなります。それにより、リモートワークの導入も進めやすくなります。
コロナ禍以後、リモートワークの普及が進んでいます。企業イメージや人材採用の面においても、「入社時に求める条件としてリモートワーク可能かどうか」というニーズはどんどん増えているのをご存じでしょうか?
フリーアドレスの導入と同時にリモートワークの導入を進めることで、企業価値を高めることに繋がるのも大きなメリットといえます。
フリーアドレスオフィスのデメリットや失敗要因
フリーアドレスはどんな企業のどんな業務にも適用できるわけではありません。また、従業員に対する配慮も必要です。
フリーアドレス化によるデメリットも存在するので、こちらもいくつか紹介します。自社の状況に当てはまりそうかどうか、しっかり確認が必要です。
- 誰がどこにいるかわかりづらい
- 集中して作業しづらくなる場合がある
- 帰属意識や愛着心が培われづらい場合がある
- 着席場所やメンバーが固定化されてしまう
- 書類や備品の管理が大変
誰がどこにいるかわかりづらい
フリーアドレスでは、座る場所がきまっていないため「ある人に連絡をとりたいが捜せない」という問題が起きます。
オフィスにフリーアドレスを導入する際は、着席のルール決めやリモートワークにも対応できる業務の進め方を検討するべきでしょう。他にもツールやシステムの整備が不可欠です。
また、従業員の半数以上が常に在籍しているような業務の場合は固定席のままの方が都合がよいかもしれません。
例えば、「デザイン部門にクリエイティブ性を取り入れるためにフリーアドレスにしよう」と考えたとします。
しかし、デザイナーの業務に常に大きなディスプレイとワークステーションが不可欠となる場合には、フリーアドレスにしたところで席が移動できません。
フリーアドレスにする必要があるのかどうかについてもよく考えることが大切です。
また、フリーアドレスを導入する場合、同時に社員のワークスタイルも見直した方が導入効果が高まることが多いです。
近年は「ハイブリッドワーク」という、オフィスワーク(出社)とリモートワークをミックスさせる働き方が注目を集めています。
集中して作業しづらくなる場合がある
フリーアドレスの場所がすべてオープンスペースだと、なかには気が散って作業効率が落ちる従業員がいるかもしれません。
特に年長者は今まで固定席が当たり前の環境で仕事をしてきたため、環境の変化に対応しきれない場合があります。
フリーアドレスのスペースには、ついたてや個室を作るなど一部を集中スペースとして活用できるように配慮するのも一案です。
帰属意識や愛着心が培われづらい場合がある
自分の席があった方が落ち着くという従業員が意外に多くみられます。
とくにフリーアドレスで自席がなくなると、「会社に自分の居場所がなくなった」と喪失感をおぼえてしまいがち。
また、その日持参したかばんなど私物の置き場所にも困ってしまうことも。
そのため、ワゴンや個人用ロッカーなどを設置してある程度個人の場所を確保するのがおすすめです。
着席場所やメンバーが固定化されてしまう
座席が自由になっても、「座席の予約が面倒」などの理由でいつもと同じ席に座ってしまうという課題があります。
座席予約ツールを導入するなどして、従業員がストレスなくフリーアドレスを活用できるような環境づくりに心がけましょう。
書類や備品の管理が大変
日ごとに座席が変わるフリーアドレスでは自分の書類や備品を就業時に必ず片づけなければならないという手間が発生します。
多くの従業員が不満を抱えやすい課題です。解決策として、デスク上の物すべてを簡単に持ち運べるモバイルバックなどを支給するとよいでしょう。
フリーアドレスの導入手順や注意点
フリーアドレス導入のメリット・デメリットがわかったところで、実際にフリーアドレス導入を進める場合、どのような手順が必要なのでしょうか?
段階ごとに何が必要かを解説するとともに、導入時に注意すべきポイントも紹介していきます。
フリーアドレス導入の手順
フリーアドレス導入の手順は、大きく以下の順に進めていきましょう。
- フリーアドレスを導入する部署の設定
- 座席数の決定
- 座席の運用方法を作成
- デスク等、オフィス家具・ツールの選定
- フリーアドレス運用の社内浸透
フリーアドレスを導入する部署の設定
固定席のオフィス形式からフリーアドレス導入を進める場合、一気に全部署に導入するケースは少ないです。
フリーアドレスの導入を進める際は、職種ごとの仕事の特性も考慮し、部署ごとにフリーアドレス化するか、固定席にするかを決めて、フリーアドレス化が進めやすい部門に採用するのがスムーズです。
営業・企画・マーケティング等
- 外出やフレックスなど、比較的自由な働き方が既に行われている
- 会議が多く、在籍率が低いためフリーアドレス化しやすい
- ノートパソコン等のみで業務ができ、物理的な制約が少ない
総務・人事・経理などバックオフィス系部署
- 契約書や請求書はじめ、紙媒体を扱うことが多く、現物を手元に保管しておく必要がある
- 機密文書の管理など、セキュリティレベルの高い業務が求められる
- 座席の移動により、業務効率が低下や情報漏えいのリスクが高まる
もちろん、ツール導入によるペーパーレス化やセキュリティルールの制定により、上記部署や職種でも、フリーアドレス化を進めることは十分に可能です。
フリーアドレス化しやすい部署から段階的に導入をはじめ、スムーズに進んだら他部署のフリーアドレス導入も進めていきましょう。
座席数の決定
フリーアドレス導入の対象部署が決まったら、座席設定率を元に座席数を決定します。
「座席設定率」とは、フリーアドレス対象者のうち、オフィスに設置する座席数の割合です。対象の社員のうち、何人が同時に出社するか、その際にどれくらいの座席数が必要か検討した上で「座席設定率」を割り出します。
対象の社員が30人いて、座席設定率が70%であれば、必要な座席数は21です。
- 外出や会議が多い営業・マーケティング部署などは座席設定率を低めに設定
- 固定席での業務がいいうバックオフィス部門は100%に近い高い数値に設定
このように、実際の環境に合わせて設定することで座席数の過不足のない環境の構築につながります。
座席の運用方法を作成
座席の運用方法は、大きく分けて「完全フリーアドレス」と「グループアドレス」の2種類あります。それぞれのポイントを踏まえて、どちらで運用するか検討しましょう。
<完全フリーアドレス>
部署やグループの区別なく、対象者全員が空いている席を自由に使うことができる方法です。
普段の業務では接点のない他部署のメンバーと隣り合うことで、社内コミュニケーションの活性化や業務上のコラボレーションの機会が生まれます。
<グループアドレス>
部署やチームなどグループごとにまとまったエリアを指定し、指定されたエリア内で自由に席を選ぶ方法です。
部署感の完全フリーアドレスと比較して、元の固定席に近いため、導入ハードルが低く、「テスト的に1部署で導入する」といったことも可能となります。
デスク等、オフィス家具・ツールの選定
固定席の場合は、通常1人に1台デスクが割り当てられますが、フリーアドレスの場合は大型のテーブルを用意し、複数人が使用するタイプが使用されます。
自宅のテーブルやカフェテーブルのようにリラックスできる心地良さを演出し、従業員同士の会話が自然に生まれるワークスペースを演出することができます。
フリーアドレス運用の社内浸透
ここまで用意できればフリーアドレスの導入環境は全て揃ったと言えるでしょう。
しかし、新しいものを始める場合には、
「導入したけど従業員に使ってもらえず、導入失敗した」というケースが多く存在します。
そのため、フリーアドレスの運用ルールを社内に浸透させるため、主体的に働きかけが必要になります。
<オフィス運用ルールを作成し公開する>
フリーアドレス移行後のオフィスの使用方法や座席利用についてなどを明記したルールを作成し、全員がいつでもアクセスできる場所に設置・格納しましょう。
収納ルールやオフィス内スペースの利用方法など、従業員にとって使いやすいルールづくりを心がけましょう。
<従業員説明会や、積極的な社内発信を行う>
ルールの公開だけでなく、従業員に対して説明会や発信を行いましょう。理解が進んでいるか、正しく使われているかを把握する上でも必要ですし、今いる従業員だけでなく、今後入社する人がオフィスのルールを理解する機会にもなるでしょう。
フリーアドレス導入時に意識するべき注意点
フリーアドレス導入の手順はそれぞれ説明しましたが、これら以外にも気を付けるべきポイントがいくつかあります。それぞれ紹介していきます。
コミュニケーションの取り方を工夫
フリーアドレスの前後で、個人ごとに仕事のやりやすさが変化します。
テレワークと併用している場合などは特に意識的にコミュニケーションを多く図る必要があるでしょう。
ちょっとした雑談、上司以外との交流の機会を設ける配慮が重要です。
また、上司へも気軽に相談できるような雰囲気づくりにも努めましょう。
業務の進捗の共有
チームごとに「島」を作って座っている場合には資料や画面の様子からおおよその進捗がうかがい知れたかもしれません。
しかしフリーアドレスになった場合には、各従業員の姿が見えない状態で業務の内容や指示を共有したり、各々の進捗を把握したりする必要があります。
メールでのやり取りだけでは漏れが発生する恐れがあるため、ビジネスチャットツールやプロジェクト管理ツールなど、クラウドシステム活用を視野に入れることが重要です。
職場内での感染防止行動の徹底
まだまだ新型コロナウイルスに対する注意は必要な時期でしょう。
フリーアドレスでは複数名でデスクを共有するため、接触感染の防止に努める必要があります。
電話やパソコン、フリーアドレスのデスクなど共用する物品や機器がある場合には、消毒を徹底しましょう。
必要に応じて従業員同士のソーシャルディスタンスの確保も忘れずに。
また、やみくもにフリーアドレスにすると万一の場合の感染経路が不明確になりますので、席を変える際のルールを検討し周知を行いましょう。
フリーアドレスを導入するなら固定電話・内線電話は廃止
フリーアドレスを導入するのであれば、オフィスの固定電話を無くさなければなりませんので注意してください。
座席を自由に選べるというフリーアドレスにも関わらず、「電話対応が必要だから」と結局電話機の近くの席に座らざるをえない、ということでは元も子もありません。
- 営業などの外線電話→クラウドPBXの導入や電話代行サービスの利用
- 来客対応などの内線電話→クラウド受付システムの導入
この2つを組み合わせることで、オフィスから固定電話を無くすことができ、フリーアドレス化がスムーズになります。
フリーアドレス化する際にはぜひ覚えておきましょう。
フリーアドレス導入に成功した企業の事例
ここでは、フリーアドレスを導入している企業をいくつか紹介していきます。
株式会社スイッチメディア
出典:「株式会社スイッチメディア」へ社名変更とオフィス移転のお知らせ
クラウド型テレビCM出稿分析サービス「SMART」を運営する株式会社スイッチ・メディアは、働く場所に関わらず、社員のパフォーマンスを最大化できる環境を整えることを念頭におき、オフィス移転時にフリーアドレスを導入しています。
オフィスでは、個々の社員が自身のプライベート空間のように居心地の良さを感じられる空間デザインを意識し、リモートワークと変わらずパフォーマンスを発揮できるオフィスとなっています。
株式会社コンシェルジュ
出典:シンプルながら暖かみを感じられるナチュラルなオフィス|ヴィス
DXを加速するノーコードAIチャットボット「KUZEN(クウゼン)」を運営する株式会社コンシェルジュは、フラットで一人一人の意見を尊重する文化をフリーアドレスオフィスという環境からも体現されています。
働く環境においても、フルフレックス制の導入、ペーパーレスオフィスなど、従業員の生産性を高める工夫が揃っているオフィスと言えるでしょう。
株式会社フルマークス
クライアントに寄り添うシステム構築、ソリューション提供、コンサルティングサービスを提供する株式会社フルマークスは、事業拡大に伴う移転の中で、社員が好きな空間を選んで働けるようにと、写真のように対照的なスペースを複数設けて、メリハリのあるオフィス空間を演出しています。
他にもカフェスペースやファミレスブースを設置し、社員同士のコミュニケーションのきっかけを作り出すオフィスづくりは、まさにフリーアドレスの良さが詰まっています。
Hash DasH Holdings株式会社
出典:多様な働き方と環境の変化に応えるための “AGILE OFFICE”|ヴィス
「デジタル金融で暮らしを豊かに」 ブロックチェーン開発・サービス提供を行うHash DasH Holdingsは、リモートワークを考慮したオフィス設計でフリーアドレスを導入しています。
一般執務エリア・コミュニケーションエリア・集中エリア等、さまざまな用途に適したエリアを設けて、従業員にとって働きやすいオフィス環境を構築しています。
ワークデイ株式会社
続いては、企業向けクラウド型財務・人事アプリケーションプロバイダ大手のワークデイ株式会社のフリーアドレス導入事例です。
コロナ禍前後の社内部門ごとのオフィス利用実績のデータに基づいて必要な座席数を設定し、それに基づくフリーアドレス制を採用することでワークスペースの座席数を最適化し、社員の要望するオープンスペースのを実現しています。
TieUps株式会社
出典:プロフィールサイト「lit.link」運営のTieUps株式会社、オフィス移転のお知らせ | TieUps株式会社
プロフィールサイト「lit.link」、コミュニティデザインSNS「WeClip」の開発・運営をするTieUps株式会社は、オフィス移転に伴いフリーアドレスを導入しています。
オフィス内の2つのスペースどちらも全席フリーアドレスを導入し、コミュニケーションを目的としたメインスペースには通常のデスクの他、ソファやバランスボール、靴を脱いでくつろげるスペースなど、リラックスしながら仕事ができる空間を設けています。
フリーアドレスよりも新しい?「ABW」とは?
働きやすいオフィス環境といわれるフリーアドレスですが、近年フリーアドレスの先をいく職場環境として「ABW」が注目を集めているのをご存知でしょうか?
ABWとは、アクティビティ・ベースド・ワーキング(Activity Based Working)の略称で、業務内容に応じて従業員自身が働く場所や時間を自由に選べるフレキシブルなワークスタイルです。
仕事をする上で、好ましい環境は人によって異なります。また、同じ人でも業務内容によってより良い環境は変わってきます。
こうした個人の働き方や働きやすさを考慮したのが、ABWです。リモートワークやフリーアドレスよりもさらに発展し、自由度が高いとして注目を集めています。
ABW | フリーアドレス | |
---|---|---|
働く場所 | オフィス内外 | オフィスのみ |
導入目的 | 従業員の働きやすさ | コスト削減 |
導入側の視点 | 従業員 | 運営側 |
ABWをオフィスに取り入れる三井デザインテック株式会社
出典:社員が会社に来たくなる | 最新不動産ニュースサイト「R.E.port」
そんなABWを取り入れている企業が、三井デザインテックです。
三井デザインテックは、フリーアドレスをさらに発展させたオフィスづくりを進めています。
「従業員自身が働く場所や時間を自由に選べるフレキシブルなワークスタイル」を取り入れており、それを体現するオフィスの一環として、ABWを全社で導入しています。
形や大きさが異なるオフィス家具がランダムに並んでおり、執務エリアから多様な部署のスタッフがコミュニケーションできる場となっています。
フリーアドレス移行時に導入される5つのITツール
(1)クラウド受付システム
フリーアドレスを導入すると、社員一人ひとりに固定電話を置くことはできません。
そのため、来客が来た時にこれまで総務や受付係の方が担当者に電話で取り次いでいたようなフローを構築するのが難しくなります。
携帯電話の貸与し、受付から担当者に電話がかかってくるようにすることも可能ですが、会議中、他の業務に集中して対応を忘れる、まだオフィスについていない等のハプニングもあるため、来客者に迷惑をかけてしまう可能性もあります。
このような背景があり、フリーアドレス化と同時にそれらの課題を払拭できる受付システムを企業が導入しています。
(2)電話代行サービス
フリーアドレス化と同時に固定電話を撤廃をする企業が多いですが、その際に導入されるのが先ほど紹介した受付システムと、電話代行サービスです。
電話代行サービスでは、社内の人に代わり、一次対応をしてメールやチャットにどういう内容だったかを通知してくれます。または自動音声にするパターンもあります。
この2つの導入で社内に電話の音が鳴り響くことがなくなるので、オフィス勤務の方が集中しやすい環境になるわけですね。
(3)チャットサービス
フリーアドレス化と同時にリモートワークを活用している企業が大半です。
どこにいてもコミュニケーションが取れるチャットサービスを導入することで、これらの課題が解決できます。また、情報共有のスピードも早くなることから、会社全体のスピードが早くなるのも利点の1つですね。
私たちはSlackというサービスを活用していますが、情報共有のスピードUP、Slackに様々なツールを連携させて、Slack内だけで他のサービスの状況も見れるようになっています。
紹介した受付システムや電話代行サービスも、このSlackに通知が可能です。
(4)情報集約サービス
様々な知見やルールをテキストや動画、画像などで残して誰でも閲覧ができる情報集約サービスがあるとリモートの人も、ほしい情報の確認ができます。
弊社ではコンフルエンスというサービスを活用していますが、働き方のルールや有給の取得方法、会議体の設定、会議の議事録、知見の共有などをこのサービスを使うことで、いつどこにいても確認できるようにしています。
(5)WEB会議システム
フリーアドレスでは、いつでもどこでも会議や打ち合わせができる環境が必要です。
先ほど紹介したSlackに「ハドル」という機能があるのですが、こちらもWEB会議が可能です。しかし、社外の人との商談や打ち合わせには不向きなため、ZoomなどのWEB会議システムを導入する必要があります。
フリーアドレス導入で働きやすいオフィス環境を
昨今は働き方改革や緊急事態宣言など、仕事の進め方を再検討するさまざまなできごとがありました。
オフィスレイアウトに正解はありませんが、フリーアドレスはいままでにない効果を生み出す可能性があります。
経営上の意向や従業員の意見も踏まえつつベストの選択をしていきましょう。
オフィスDXの第一歩として「受付のDX」から始めよう!
・リモートワーク環境が整わず、出社しなければいけない従業員がいる
・社内をフリーアドレスにしたいけど移行できずにいる
・来客対応がアナログなまま効率化できてない
・経団連が発表した「来訪者履歴」が自動で取れていない
・会社で利用するビジネスチャットをベースに効率化をしていきたい
などの課題があれば、RECEPTIONISTで即解決しましょう!