DXで収益向上を実現した企業に見られる共通点8つ

経済産業省はDX推進中ですが、日本能率協会の「日本企業の経営課題 2022」によると、半数近くの企業が未着手です。
 
一方で、約3割の回答企業は「成果は出ていない」としており、DX戦略を見直す必要があるでしょう。
 

その中でもDXを成功させている企業にはどういった特徴があるのでしょうか?
 

本記事では、DXを成功に導く戦略の立て方や役立つフレームワーク、事例について解説します。
 

DXを成功させた企業にみる8つの共通点

DXレポート2.2」では、デジタル化で収益向上を実現した企業に見られる共通点を紹介しています。
 

成功企業に見られる共通点は次のとおり8つありますので、DX戦略を策定する際にぜひご確認ください。
 

  • トップダウンでデジタル化を一斉に実施
  • 判断の拠り所となる行動指針の提示
  • 業種を問わずグローバルに通用する事例から学ぶ
  • 顧客の反応や市場の変化に合わせて変革を継続
  • 顧客データの可視化
  • 組織や業務を横断し、広範囲なデータ共有・活用を実践
  • 自社の強みを外部に発信
  • プラットフォームは競争領域ではなく協調領域で活用

 

これらの要素を満たすためにどういった取り組みが必要なのか、どのように戦略を立てていくべきかについて紹介します。
 

成功するDX戦略の方向性とは?

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デジタル技術を導入しビジネス領域でDXを成功させるために、どのような方向性を目指すべきでしょうか?
 
経済産業省によって2022年(令和4年)7月に公表された「DXレポート2.2」では、DX推進の規範的企業への調査結果から、次のような見解が示されました。
 

  • デジタルでしかできない新しいビジネスモデルを創出する
  • 個社の強みを明確化あるいは再定義することで既存ビジネスの付加価値を向上させる

 

つまり全社的な収益向上こそが、データ活用を前提としたデジタル変革の目指す先ということです。
 
DXの成果が感じられない企業は、コスト削減をDX戦略のゴールとして設定しているのかもしれません。
 
既存ビジネスの効率化や省力化は、確かにコスト削減につながります。
 
しかしDXを成功させるためには、収益向上を目的としたビジネスモデルへと変革を目指すことが重要です。
 

なぜDX戦略は必要なのか?DX戦略策定の目的とは

DX戦略策定のメインの目的とは、自社のDX推進の方向性を明確化して社内の足並みを揃え、変革への障害をできるだけ取り除くことです。
 
例えば既存の基幹システム(レガシーシステム)の見直しは、明らかに老朽化・ブラックボックス化していても社内からの反発が予想されます。
 
そこで経営者・IT部門・業務部門が共通認識を持つことが重要です。
 
またDX戦略がなければ、DXの取り組み自体が目的化してしまい、目新しい施策に次々と着手することになりかねません。
 
結果として、次のような失敗を招きがちです。
 

  • 投入した社内リソースやコストに成果が見合っていない
  • 事業部間の連携なしにDXを推進し、サービス品質の低下を招いた

 

全社的に収益を向上させるDX実現のためにも、中期経営計画などの経営戦略とも整合性のとれた具体的なロードマップが必要となります。
 

立案書を策定しよう!DX戦略の立て方3つの手順

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ここではDX戦略の立案書を策定する3つの手順について、それぞれ見ていきましょう。
 

自社の現状と外部環境の把握

まずは、自社におけるDX推進の現状や成熟度について把握します。
 
これは戦略を適用する期間内に、どの程度の成熟度を目指すのかを決めるためにも必要なプロセスです。
 
この手順においては、経済産業省が公表しているDX推進指標を使用した自己診断が役立つでしょう。
 
回答する項目は、次の2つから構成されています。
 

  • DX推進に向けた経営のあり方や仕組みに関する指標
  • DX実現に不可欠なITシステム構築に関する指標

 

またDX実現においては、市場の変化など外部環境の変化に合わせて変革を進める必要があります。
 
そこでPEST分析を活用するなどして、外部環境が自社ビジネスに与える影響を把握・予測しましょう。
 

DXの方針と施策の策定

次に自社の限りあるリソースをどこに集中的に投入するか、変革に向けた方針を策定します。
 
自社の強みを伸ばしたり、既存の基幹システムに潜むリスクへの対策をしたりといった視点で方針を立てましょう。
 
レガシーシステムを必要なものと必要でないものを仕分けして、必要なものを刷新する取り組みは解決すべき課題の1つです。
 
放置すれば「2025年の崖」でも懸念されているとおり、近い将来に大きな損失をうむかもしれません。
 
策定したDXの方針に則り、収益の向上や新しい価値の創出に向けた具体的な施策を決定していきましょう。
 
「2025年の崖」については、こちらで詳しく解説しています。
DXとは?2025年の崖の対策としてDX関連の用語をわかりやすく解説
 

目標達成につながるロードマップの策定

方針や施策を決定したら、DXプロジェクト全体の工程表や手順書の役割を果たすロードマップを策定します。
 
戦略を適用する期間は、中期経営計画に相当する3〜5年のスパンで考えることが多いでしょう。
 
ロードマップがあれば目標を明確化できるほか、社内で重要な情報を共有しやすくなります。
 

DX戦略策定に役立つ4つの思考フレームワーク例

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ここではDX戦略を策定する際に役立つ、4つの思考フレームワークについて見ていきましょう。
 

DXフレームワーク

DXフレームワーク_DXフレームワーク
出典:DXレポート2|経済産業省
 

DXフレームワークとは、「DXレポート2」で示されたDX成功パターンのマトリクス図です。
 
このマトリクス図を使用すれば、戦略立案時にDX実現に向けた具体的なアクションプランをスムーズに策定できます。
 
DX推進の取り組みが進むにつれて、マトリクス図の内容を更新すれば進捗管理にも利用可能です。
 

DXジャーニーマップ

DXフレームワーク_DXジャーニーマップ
出典:DXジャーニーマップを活用しよう!売上向上・業務効率化を実現させるDXのために|デジタル人材採用.com
 

DXジャーニーマップとは、DXの設計図だと考えると分かりやすいでしょう。
 
作成手順は、次の5つです。
 

  1. DX実現に向けたゴール(KGI)の設定

  2. 業務フローの可視化

  3. 業務フローごとにKPIの設定

  4. 各業務フローに適用するデジタルツールの選定

  5. 顧客に提供するCXの設定

 

DXジャーニーマップについては、こちらに詳しいのでぜひご確認ください。
DXに必要不可欠な『DXジャーニーマップ』とは?目的や作り方を紹介
 

SWOT分析

SWOT分析では、自社の状況を次のように分類した上で分析します。
 

プラス要因 マイナス要因
内部環境 自社の強み(Strength) 自社の弱み(Weakness)
外部環境 機会(Opportunity) 脅威(Threat)

 

自社が保有するリソースの分析や、自社ビジネスの提供価値を整理する際などに役立てましょう。
 

デザイン思考

DXは企業風土やビジネスモデルの変革を目的としているため、イノベーションを創出する手法として知られるデザイン思考も役立ちます。
 
Apple社が初期型マウスを開発する際に使用したフレームワークなので、ご存じの方も多いでしょう。
 
デザイン思考は、人や現場を中心に思考を深める手法です。例えば顧客を知り、その顧客を満足させるために何を構築すべきかを考えていきます。
 

DX戦略の立案事例

冒頭でも紹介したように、DX成功企業に見られる共通点は次のとおり8つあります。
 

  • トップダウンでデジタル化を一斉に実施
  • 判断の拠り所となる行動指針の提示
  • 業種を問わずグローバルに通用する事例から学ぶ
  • 顧客の反応や市場の変化に合わせて変革を継続
  • 顧客データの可視化
  • 組織や業務を横断し、広範囲なデータ共有・活用を実践
  • 自社の強みを外部に発信
  • プラットフォームは競争領域ではなく協調領域で活用

 

ここでは上記を踏まえながら、DX戦略の成功事例について見ていきましょう。
 

自治体:愛媛県

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出典:愛媛県 デジタル総合戦略|愛媛県
 

DX戦略立案のポイント

  • デザイン思考を取り入れ、利用者の視点に立ってDXを考える
  • 2020年に「新しい働き方チャレンジ」を宣言。県が率先してデジタルシフトを加速
  • 愛媛県・市町DX協働宣言により「チーム愛媛」一丸となりDXに取り組む

 

愛媛県はCDO(最高デジタル責任者)率いる愛媛県デジタル総合戦略本部の立ち上げなど、強力なリーダーシップをDX戦略の中で明示しています。
 
宣言の発出なども評価され、第1回日経DXアワードにおいてDXリード部門に選ばれました。
 

情報通信業:四国情報管理センター

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出典:Top|四国情報管理センター株式会社
 

DX戦略立案のポイント

  • 先進的なテクノロジーを用いて、地方都市が抱える課題解決と持続的成長の実現を目的としてDXプロジェクトを2021年より開始
  • 同じ地方都市ベースの産学官民と連携し、システムやデータを活用したソリューションの仮説・検証を、課題を抱える当事者とともに実施
  • AI人材やデータサイエンスに関連する資格取得などを奨励し、DX推進に適した企業文化を形成

 

四国情報管理センターは、「高知県オープンイノベーションプラットフォーム」へ参加するなどして、デジタル化による販売促進などへの取り組みが評価されています。
 
その結果、経済産業省による「DXセレクション2022」で優良事例に選ばれました。
 

建設業:新日本コンサルタント

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出典:DX | 株式会社新日本コンサルタント | NiXグループ
 

DX戦略立案のポイント

  • 既存事業のリソースを活かしつつ、デジタル技術の活用を推進し新しい価値を創出
  • 顧客ロイヤリティを高め、UX(顧客体験)を向上させることを目的にDXを推進
  • 自治体が抱える課題解決に役立つDXインフラ事業として、道路維持管理クラウドサービスやAI推移予測システムを開発・提供

 

新日本コンサルタントは、社会インフラの計画・設計を担う総合建設コンサルタントです。
 
次世代型のDXインフラ事業における取り組みなどが評価され、「DXセレクション2022」の優良事例に選ばれました。
 

立案方法やフレームワークを活用してDX戦略を立てよう

本記事では、成功するDX戦略の方向性やDX戦略が必要な理由、立案に役立つフレームワークや立案事例などを解説しました。
 
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DX戦略の立案時に想定していたよりも成果が上がる可能性があるので、検討されてはいかがでしょう。
 

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