フィールドセールス
クロスセルとは?売上がアップした成功事例3選|実践した効果を徹底解説
営業担当者はもちろんのこと、マーケティング担当者も押さえておきたい用語・手法の一つにクロスセルがあります。クロスセルは結論からいえば「同時購入を顧客へ訴求する」営業手法です。
とはいえクロスセルと一言に言っても本質的な意味やメリットを理解していないと、なかなか実務に落とし込むのは難しいものでもあります。
そこでここでは、クロスセルについて概要から実践方法、その他実際の具体例まで分かりやすく解説していきます。
▼目次
【概略】クロスセル=同時購入の訴求
クロスセルとは、同時に複数の商品やサービスを売り込むことを指します。
つまり「ある1つの商品だけを売るのではなく、別の関連商材を併せて売る」ことがクロスセルの大きな目的となります。
例えば、製品Aの購入を検討している顧客がいた時に関連する製品Bも同時に売り込みを行うことによって、全体的な売上の向上が見込めるというわけです。これがクロスセルの考え方です。
クロスセルが売上にもたらすメリット4選
クロスセルのメリットには以下のようなものがあります。
基本的には売上単価とLTVの向上に寄与するといったメリットが中心です。
顧客単価の向上が期待できる
単純に顧客単価の向上が期待できます。
クロスセルによって関連商材を訴求することによって同時購入の可能性が高まることから、商談一件あたりの獲得単価が増える効果が期待できるのです。
顧客の購買意欲を高め、将来の受注へつなげる
将来的な継続受注につながり、LTV(ライフタイムバリュー・顧客生涯価値)の向上に寄与します。
関連商品の訴求によって、顧客は「この会社のサービスでどのような課題が解決できるか」をより具体性をもって考えられるようになります。
このことは自社への信頼獲得へ直結すると言ってよいでしょう。このことから購買意欲が高くなり、将来の継続的な受注へつながるというわけです。
顧客数を増やさず売上拡大が可能
最も大きなメリットのひとつです。
一般的に一度獲得した顧客は、継続して自社のサービスを利用してくれる傾向にあります。
これは裏を返せば、信頼関係があることにより他の訴求でも成約率が高い状態を維持できることを意味します。
そのためクロスセルを活用することで顧客数を増やすことなく、それでいて売上を拡大することが可能です。
少ない顧客数で売上の拡大・最大化が見込めることにより、社内リソースが改善する効果も期待できます。
【応用】結果的な成約率の向上
これは余談ですが、上級者向けの営業テクニックとしてクロスセルのデメリットを逆手に取った手法もあります。
クロスセルとして提案しておきながら、実際には片方を販売できた時点でゴール達成、というパターンです。
ただしこちらはクロスセルの本筋から離れてしまう為、原則として最初は両方の成約を目指して行動しましょう。
クロスセルが顧客に与えるデメリット2選
一方でクロスセルにはデメリットも存在します。具体的には以下のようなものです。
大まかに言えば、顧客満足度が低下したり顧客と関係が悪化する可能性があるといった部分です。
顧客との関係悪化の可能性
方法を間違ってしまうと、顧客との関係性が悪化してしまう可能性もあります。
たとえば、ひとつの商品を購入してくれた顧客に対して、クロスセルの手法で別商材を勧めたとします。
この時顧客が本当に欲している商材を訴求できないと「押し売りされている」と思われてしまい、結果として顧客が離れてしまう可能性があります。
こうなると、せっかくの顧客が離れてしまいます。
顧客を迷わせてしまう
クロスセルの結果、顧客が迷ってしまい全ての判断を保留したりキャンセルしてしまう危険性もあります。
クロスセルはあくまでも関連商材の訴求が原則であり、両方の商材の成約が取れることがゴールです。
しかしクロスセルを行う商材が本筋の商材と近ければ近いほど、顧客を迷わせてしまう可能性があります。この場合顧客が「本当に欲しいのは、どちらなのか」が分からなくなってしまうからです。
この状態で両方を買わせるような営業をすると、顧客満足度が低下し、顧客が離れていってしまいます。
クロスセルに役立つ「LWP」フレームワークとは
クロスセルを実践する際に役立つフレームワークとして「LWP」というものがあります。
これはクロスセルを実施すべき顧客の選定に役立つマネジメントプロセスで、以下で方法をご紹介します。
List(リスト)
まずはリストを洗い出しましょう。顧客リストを洗い出すことにより、クロスセルの対象者を漏れなく抽出することが可能となります。
この時、自社の基準があればそちらを利用して「LTVが高いと思われる顧客」を抽出するという考え方もできるでしょう。
What(内容)
顧客との接触内容や行動内容を洗い出していきましょう。
この時大いに活用できるのはCRMツールなどの顧客情報を管理しているデータベースです。こちらの内容をもとに
- 自社のアプローチに対する顧客の反応
- 直近一定期間の購買行動
- ヒアリングによって得られた顧客の持つ課題
などを抽出・分析し、よりポテンシャルの高い顧客の選定条件を設定しておきましょう。
Pace(頻度)
最後に抽出するべきは顧客との接触頻度(ペース)です。
営業担当者やインサイドセールス担当者がどれほどの頻度で顧客と接触しており、またリアクションが得られているかなどを数値化することによって、効率的にクロスセル訴求が行える顧客を抽出できます。
ここまでを完遂すると、より優先度を高めてクロスセル訴求を行うべき顧客のデータが可視化できるようになります。
クロスセルはむやみやたらに訴求しても、成約率が高くなるわけではありません。
このようなフレームワークを使用して効率的な営業活動ができるよう、事前準備を欠かさないようにしたいところです。
また顧客のこのような選別は一般的にリードナーチャリング部署との情報共有や連携が不可欠です。リードナーチャリングについてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。
クロスセルの成功事例3選
クロスセルの具体的な成功事例について解説していきます。
具体的には以下のような事例がクロスセルと言えます。
事例1:Web制作業者の場合
Web制作業者の場合、販売する商品はホームページ制作などがメインとなります。
しかし、ここにクロスセルの考え方を取り入れることによってSNSでの集客支援や、プロモーション企画の運用代行・プロデュース業務も訴求できる可能性が出てきます。
一般的にWeb制作を依頼する企業が目指すゴールは「ホームページの制作」がコアなものではありません。
あくまでも「企業の認知拡大・広告戦略の一環」としてホームページの制作を業者へ依頼するのであり、本質的なゴールは「ユーザーの増加」「宣伝効果を高めること」です。
このような前提がある以上、ターゲットとするユーザーが増加するための施策は検討の余地があると分析できます。
そこで、競合他社のサイトよりも目立つSNS運用代行や、またはプロモーション企画の立案と実施などがクロスセルで訴求すべき関連商材として考えられるのです。
ワンストップで対応できることはクライアント側にも大きなメリットがあるため、クロスセルで訴求しやすい事案と言えるでしょう。
事例2:社内インフラ構築業者の場合
最近は社内インフラの構築を外部業者へ委託するという事例も増えています。
社内ネットワークの構築やオフィスセキュリティに関連するインフラ構築が主な業務となるでしょう。
このとき、社内のシステム担当者からすれば「どうせならもう少し社内の風通しをシステムによって良くしたい」という状況に陥りがちです。
そのような時、クロスセルの考え方が役に立ちます。社内インフラの構築と併せ、例えば出退勤管理ツールを導入することで、社内のコミュニケーションや管理を効率化・活性化することができます。
このようなメリットを提案・訴求することは、顧客にとっても歓迎すべき内容であることはほぼ間違いないでしょう。
よって社内インフラの構築と併せてツールの導入を訴求するなど、クロスセルで売り上げアップにつながるケースもあるわけです。
事例3:飲食店の事例
より具体的で分かりやすいのは飲食業に関連するクロスセル事例です。
例えば居酒屋などでは「プラス〇〇円で飲み放題がつきます」などというメニューがあったりします。
このようにサービスを追加することでお得感を演出し、「追加注文をしてもらいやすくする」ことがクロスセルのひとつの考え方です。
顧客としてもより楽しくお得に飲食の場を楽しみたいという考え方が根底にあるため、このようなクロスセルの提案を受け入れやすい傾向にあります。
このとき利益率の高い関連商品を訴求することで包括的な利益のアップに直結することは言うまでもありません。
例えばファストフードでハンバーガーを注文した際「ご一緒にポテトはいかがですか?」と聞かれることがあります。これも典型的なクロスセルと言ってよいでしょう。
クロスセルで顧客単価とLTVを向上させる
クロスセルとは「ある商品を購入する際に、関連する別の商品を訴求する」営業手法です。
つまり、複数の商材をまとめて購入してもらうために行う手法であるとも言えます。
この手法には顧客の単価向上などメリットが多く、また顧客側もワンストップで複数商材の導入を依頼できることから満足度が向上するといった副次的なメリットがあります。
その他重要なこととして、クロスセルを行って成約に至った場合、アポイントメントを効率化することが挙げられます。
複数商材の打ち合わせやヒアリング・すり合わせが必要なことから、より効率的に顧客との接触を行う必要があるからです。
その時に役に立つのが調整効率化ツールです。
例えば調整アポは、あらかじめ自社で対応可能な日程を提示しておく事により顧客側は直感的な操作で、スムーズに打ち合わせ日程を指定することができます。これは顧客側にとっても手間が少なく済みます。
そしてこの手間を軽減することで、顧客側とのやり取りをスムーズにし、結果的に効率よく商談を進めることができるのです。
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