目指すべき生産性向上とは?相応の賃金と魅力ある職場の創造へ

働き改革では長時間労働の是正が大きな課題として掲げられており、代わりに投資やイノベーションによる「生産性向上」がスローガンとして発信されています。
 
しかし取り組みの目標を設定できる社員がいないといった課題を抱えている中小企業も多いでしょう。
 
本記事では、具体的な取り組みや政府の施策についてご紹介します。
 

生産性向上とは?その意味や必要性

ここでは、生産性向上とは何か、業務効率化との違いやその必要性・メリットについて見ていきましょう。
 

生産性向上と業務効率化との違い

生産性向上とは、簡単に言えば自社の経営資源を有効活用することで、同じ投入量でもアウトプットの質と量を改善することです。
 
生産性とは、人やモノなど投入された経営資源がどれだけの付加価値を生み出せたかを示す指標ということもできます。
 
そこで例えばチームでの生産性向上を目指すためには、情報をオープンにして共有できるようにするといった業務プロセスの見直しが必要となるというわけです。
 
業務効率化とは、この業務プロセスの見直しのことを指します。
 
つまり生産性向上に必要な取り組みが、業務効率化です。
 
業務効率化については、主に次の3つを意識しながら取り組みましょう。
 

  • 業務の標準化
  • 業務の簡素化
  • 業務の見える化

 

生産性向上はなぜ必要なのか?

生産性向上が必要な理由は、組織が活力や競争力を失わずに成長を続けていくためです。
 
業務プロセスを見直して効率化することで、コスト削減が可能になります。
 
たとえ売上を向上できなくても、コスト削減によってキャッシュフローの改善が可能です。
 
近年では、少子高齢化や感染症の影響などの社会の急激な変化にともない、テレワークを導入したハイブリッドワークなどの柔軟で多様な働き方が注目されています。さらに、「スマートオフィス」というオフィス全体のIoT化によるオフィス環境向上という取り組みも注目されています。
 

そこでどのような変化にも対応していけるように、生産性向上を目指す必要があるというわけです。
  
ただし、サービスの生産と消費が同時に行われる対人サービス産業の現場における生産性向上は、製造業とは異なる難しさがあります。
 
対人サービス業には、指示があればすぐに動けるようにしておく「手持ち時間」が発生するからです。
 
手持ち時間は必要不可欠ですが、生産性向上を阻害する要因にもなります。
 
そこでテクノロジーを積極的に活用し、サービス産業においても生産性向上を模索していく必要があるでしょう。
 

労働生産性向上のメリット

労働生産性とは、企業の生産性を分析する指標の1つで、次のとおり従業員1人あたりの付加価値額を示します。
 

労働生産性=付加価値額 ÷ 労働投入量(人 × 時間)

 
この労働生産性の低さをマクロレベルで考えると、1人あたりの国民所得の低さと言い換えられます。
 
そこで労働生産性を向上させるメリットは、次のとおりです。
 

  • 従業員は相応の賃金とやりがいのある職場を得られる
  • 企業は人材不足を解消し、競争力を維持できる

 

ちなみに日本生産性本部の調査によると、マクロレベルでの日本の労働生産性は、OECD加盟国37か国の中で21位と低いことが分かっています。
 

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出典:「サービス産業×生産性研究会」報告書|経済産業省
 

労働生産性の伸び率においては英国やドイツに並んでいるものの、そもそもの水準が低い点については問題意識をもって取り組む必要があるでしょう。
  

中小企業の生産性向上を支援するさまざまな施策

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経済産業省も、「中小サービス事業者の 生産性向上のためのガイドライン」「サービス生産性レポート」を発行するなどして、生産性向上を実現するために中小企業の支援に乗り出しています。
 
ここでは、製造業や整備工場への補助金など生産性向上に向けた政府等の支援について見ていきましょう。
 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

これから数年先にかけて中小規模・小規模事業者は、働き方改革や被用者保険の適用拡大、インボイス導入等、さまざまな制度変更等に対応する必要に迫られています。
 
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業・小規模事業者等がこれらに対応するために取り組むべき、次のような生産性向上への設備投資を支援するものです。
 

  • 革新的サービス開発
  • 試作品開発
  • 生産プロセスの改善

 

中小企業等経営強化法に基づく経営力向上および先端設備等導入計画

経営力向上計画」を作成し、設備の生産性向上要件証明書等とともに事業所管の経済産業局に申請し、認定を受ければ中小企業経営強化税制の適用を受けられます。
 

自動車整備工場も対象ですので参考にしてください。
 
先端設備等導入計画」とは、設備投資を通じて中小企業が労働生産性の向上を図るための計画で、市町村から認定を受けた場合に固定資産税の軽減措置など税制面などで支援を受けられます。
 
認定にあたっては、先端設備等の生産性向上要件証明書を工業会から入手し、計画書などの必要書類とともに市町村へ提出してください。
 
なお先端設備等導入制度は、生産性向上特別措置法が廃止されたことによって、中小企業等経営強化法に移管されています。
 

中小企業投資促進税制

中小企業投資促進税制とは、中小企業・個人事業主の生産性向上を目的とした税の支援制度です。
 
一定価額以上の設備投資・ソフトウェアの購入に対して、特別償却あるいは税額控除のいずれかの適用を認めています。
 

生産性向上支援訓練

生産性向上を考える上で、企業の人材育成も大事な取り組みです。
 
企業は全国のポリテクセンターに設置された生産性向上人材育成支援センターに、社員向けに生産性向上支援訓練のコーディネートを依頼できます。
 

日本生産性本部の研修・セミナー

社員に日本生産性本部の研修やセミナーを受けてもらうことで、日本の生産性の現状や課題に理解を深めるという方法もあります。
 
もともと政府と連携する民間団体として設立された日本生産性本部は、「国民の生活水準の向上」を目的として「雇用の維持拡大」「労使の協力と協議」「成果の公正な分配」の三原則を掲げて生産性運動を展開しています。
 

生産性向上を実現した成功事例集

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厚生労働省は「生産性向上の事例集」を発行して、賃上げにつながるヒントを紹介しています。
 
ここでは、とくにバックオフィスの生産性について考えてみましょう。
 
「来訪客への対応」や「電話の取次」が、実はバックオフィスの生産性向上を妨げる要因です。
 
次に「来訪客への対応」や「電話の取次」をゼロにした成功事例を、2つ見ていきましょう。
 

株式会社アイスタイル

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【削減内容や効果】

  • 月に600件近くあった来客の取次電話を20件程度まで軽減
  • お客様をお迎えする各担当者の姿勢が強化され来客の待ち時間がほぼゼロに
  • 総務のイノベーションに費やせる時間が増加

 

美容系総合ポータルサイト@コスメ(アットコスメ)の企画・運営を担うアイスタイルでは、もともと総務部門が内線電話で受付をしていました。
 
電話の取次や担当者を探す手間が業務の支障になるほか、お客様をお待たせすることが社内で問題視されたことが受付システム導入のきっかけです。
 
「お客様を迎える本人が対応する」意識が定着したことから、受付電話は約75%減、月間10〜20時間のコスト削減を実現しました。
 
総務のイノベーションに費やせる時間が増え、生産性向上につながっています。
 

松竹株式会社

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【削減内容や効果】

  • 老舗企業が​​固定電話廃止・フリーデスク定着を実現
  • 総務部の仕事が中断され集中できない環境を改善
  • 前衛的で新しいことへ挑戦する会社として社外へアピール

 

創業明治28年の老舗企業である松竹では、受付にきた来訪客からの内線電話への対応・取次に追われ、仕事に集中しづらい環境だったことから、総務部の取り組みで固定電話をゼロにする計画を進めていました。
 
そのため、組織再編が行われたタイミングで固定電話を廃止してスマホを貸与し、フリーデスクを導入したところ、受付の取次が物理的に難しくなったそうです。
 
そこで、ビジネスチャットと相性のいい受付システムを導入したところ、フリーアドレス化したオフィスでスムーズに運用できており、来訪客に与える印象も前衛的なイメージへとポジティブな変化が生まれています。
 

バックオフィス人材の業務負荷を軽減には受付システムの導入が鍵

近年では生産性向上につながるパソコン周りのアイテムが登場していますが、バックオフィス業務では電話をなくす取り組みが有効な方法です。
 
ハイブリッドワークを行っている企業では、オフィス出社の多い職種の間で「来訪者への対応」や「電話の取次」が手間で仕事に集中できず、不公平感が生まれているかもしれません。
 
そこでオフィスで働くバックオフィス人材の負担を軽減するためにも、受付システムの導入を検討してはいかがでしょう。
 
受付システム「RECEPTIONIST」なら、受付に設置したiPadから直接担当者へ通知が届く仕組みです。
 
クラウド上で来訪者の記録も自動保存できるため、受付業務の工程もゼロにできます。
 

まとめ

本記事では、生産性向上に必要な取り組みが業務効率化であること、製造業を支援する政府の補助金や税制支援、バックオフィスの生産性向上の成功事例についてご紹介しました。
 
「来訪客への対応」「電話の取次」の2つが、バックオフィスの生産性向上を妨げる要因です。
 
受付システムの導入によって、「来訪客への対応」や「電話の取次」をゼロにできます。
 
バックオフィス人材の負荷を軽減する方法として、受付システム「RECEPTIONIST」を検討してみてはいかがでしょう。

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