マーケティングオートメーション(MA)とは?オススメツール厳選!シナリオ設計3ステップもわかりやすく解説

最近はマーケティング専門企業以外にも、様々な業種でマーケティングオートメーション(MA)の考え方が浸透しています。

 

マーケティングオートメーションは簡単に言うと、本来人力で行なっていたマーケティング活動をある程度ツールによって自動化するといった手法の総称です。

 

ここではマーケティングオートメーションについて概略を解説するとともに、シナリオ設計に役立つ3ステップも解説していきます。

また、マーケティングオートメーションの具体的な活用方法もわかりやすく解説していきますので、マーケティング担当者はぜひご参考にされてください。

 

マーケティングオートメーション=マーケティングの仕組み化

マーケティングオートメーションは従来人力で行なっていたマーケティング活動を包括的に仕組み化・自動化することにより、効率的な営業活動を実現する方法です。

 

これによって顧客の取りこぼしや顧客の「放置」を防げるというメリットがあります。

 

マーケティングオートメーションは1992年、アメリカのUnica社にその発祥を見ることが出来ます。

 

マーケティング大国との呼び声高いアメリカ発祥の考え方・取り組みであり、この頃には既に見込み客のスコアリングなどを行い、適切なタイミングでのコンテンツ供給や見込み顧客の育成自動化といった機能が考え方として備わっていました。

 

そこから数年後、インターネットが普及し始めた1990年代後半から2000年代前半にかけて、クラウド型のツールも台頭してきたことにより全世界的にマーケティングオートメーションの考え方が普及していったというわけです。

 

マーケティングオートメーションでできる5つの自動化・効率化

マーケティングオートメーションでできることをまとめました。

 

具体的には以下の5つのことが可能です。

  • 顧客情報の一元管理
  • リードのスコアリング
  • メールマーケティング
  • 顧客の行動予測
  • アフターケアの円滑化

ひとつずつ詳しく解説していきます。

 

顧客情報の一元管理

担当者氏名や連絡先、その他過去の購買履歴など顧客にまつわる情報を一元管理することができます。

 

また部署ごとに保有していた情報を統合することにより、全社で包括的に顧客情報の共有が可能です。これによって顧客満足度の向上にも寄与するでしょう。

 

リードのスコアリング

マーケティングオートメーションを導入することにより、リードのスコアリングも効率的に行えるようになります。

 

それもツールで定量的にリードとの接触状態や温度感などを数値化・スコアリングすることによって、属人的な営業ではなく会社全体としての「顧客化」が可能となるのです。

 

また従来の営業スタイルを踏襲している日本企業では「営業担当者に属する顧客」といったものも存在するのが一般的です。

 

この場合、営業担当者が退職すると顧客も同時に失う恐れがありますが、マーケティングオートメーションによって画一的にリードのスコアリングを行うことにより、属人的リードからの脱却が実現します。

 

メールマーケティング

マーケティングオートメーションはツールで自動的に顧客の連絡先情報などを共有し、さらに顧客との接触履歴なども一元管理できるため、メールマーケティングにも活用可能です。

 

メルマガなどを利用したダイレクトなコミュニケーション手段で、より濃密なコミュニケーションが自動的に行えるようになるというわけです。

 

特に近年は発展形としてSNSからもユーザーに直接メッセージを送り込むことが可能なため、より効果的な集客が可能になるでしょう。

 

顧客の行動予測

マーケティングオートメーションは顧客の行動を「いつ」「どこで」「どんな行動を取ったか」の視点から分析することが可能です。

 

これにより顧客の興味関心や行動傾向などが可視化されるため、適切なアプローチをすることも可能になります。

 

また、顧客の興味や嗜好性に応じたアプローチを行うことで、リピーター創出や売上拡大が見込めるでしょう。

 

従来のマーケティングでも同じことが求められていましたが、ツールによる自動化・効率化で人力による施策よりも圧倒的な速さと物量で行動予測が可能となります。

 

アフターケアの円滑化

マーケティングオートメーションは顧客との関係を一気通貫で管理できます。そのため円滑にアフターフォローまで行えます。

 

たとえば情報を一元管理することで担当社員が異動などで部署を離れても、顧客に適切なアフターケアを施策でき、関係を維持できるという効果が得られます。

 

また、マーケティングオートメーションは情報の一元化と分析ができます。そうして顧客のニーズを的確に把握し、アフターケアだけではなく顧客に合わせたピンポイントな提案を継続的に行うことができるため、顧客満足度が高まります。

 

マーケティングオートメーションが重要な理由

マーケティングオートメーションが重要な理由について解説します。近年特にマーケティングオートメーションの重要性が様々な業界で見直されるようになりました。具体的には以下のような理由があります。

  • 顧客の購買行動が変化しているため
  • 顧客の需要・要望が細分化しているため
  • 営業活動の効率化が求められるため

順番に解説していきます。

 

顧客の購買行動が変化しているため

顧客の購買行動が変化しており、それに対応したマーケティングオートメーションの重要性が増しています。

 

昔であれば、製品を購入する時には営業担当者が訪問してきて、営業担当者に勧められるがまま購入していました。

 

しかし今では、営業担当者に足を運ぶことなく、Webサイトを通じて手軽に商品を購入しています。

 

つまり「自分で情報を見つけて購買行動に移すため、特に情報提供してくれる営業担当者を必要としない」という顧客が増えているのです。

 

このような行動変化によって、顧客に適切な情報提供を行い流出を防止し、満足度を高めることが求められているため、マーケティングオートメーションは重要と捉えられているのです。

 

顧客の需要・要望が細分化しているため

顧客の要望や需要が近年多様化していることも、マーケティングオートメーションの重要性を高めています。

 

例えば需要が多様化しているということは提案する商材や価格、その他詳細なカスタマイズについても調整を必要とするケースが多いでしょう。

 

細分化された需要、つまり細分化した顧客属性に対応するためにはマーケティングオートメーションによる自動化が重要というわけです。

 

営業活動の効率化が求められるため

マーケティングオートメーションの導入によって営業活動の効率化が図れます。営業活動の効率化は、どの業種でも全般的に求められている内容です。

 

例えば、従来であれば人力で情報を収集したり「名寄せ作業」を行う必要があったものを、マーケティングオートメーションツールを利用すると自動化できるようになるため、営業活動が効率化できます。

 

またヒューマンエラーを最大限に減らせるため、顧客の取りこぼしや連携ミスにおける顧客満足度の低下などを防ぐこともできます。

 

国内におけるマーケティングオートメーションの導入事情

クラウドサーカス株式会社が約3,600名に、国内におけるマーケティングオートメーションの導入率や意識調査を調べた結果を公表しました。

 

その結果によると、日本国内でのマーケティングオートメーションの実態が以下のようであるとわかりました。

  • マーケティングオートメーションの導入はまだ約20%程度である
  • 導入しない・検討できない理由の第1位と第2意は「導入費用が高い」「月額費用が高い」から
  • マーケティングオートメーションの導入企業は成果が出ているが、未導入企業は導入企業ほどの成果に至っていない

特筆すべきは、「新型コロナウイルス流行前と比べて、受注数(新規契約数)はどのように変化しましたか?」という質問に対し、マーケティングオートメーションの導入企業は約30%も受注数が増えたと回答しました。

 

しかしその一方、非導入企業の受注数が増えたという回答は8%です。

 

つまり、導入の有無で比べた場合、マーケティングオートメーションを導入した方が成果が高くなると言えます。

 

ただ、費用面を理由に導入に至らないケースが多いのは実にもったいないです。初期費用不要や月額料金が抑えられたマーケティングオートメーションツールもあります。

 

マーケティングオートメーションのシナリオ設計の流れ

マーケティングオートメーションを成功させるには「シナリオ設計」が重要です。ここではマーケティングオートメーションにおけるシナリオ設計の流れについて解説します。

 

具体的には以下のようなステップで進行します。

  • STEP0:マーケティングオートメーションにおけるシナリオとは
  • STEP1:見込み顧客の「ペルソナ」作成
  • STEP2:カスタマージャーニーマップ
  • STEP3:シナリオの設計

ひとつずつ確認していきます。

 

STEP0:マーケティングオートメーションにおけるシナリオとは

マーケティングオートメーションのシナリオとは、マーケティングオートメーションの一連の流れの中で、「誰に対して、何をするか(What)」「どのようにして、何を提供するか(Why)」を明確にし、具体的なアクションプランへと落とし込んだものを指します。

 

※なおここで扱うシナリオ設計はマーケティングオートメーション全般に渡って利用できる広義のシナリオです。

 

シナリオ設計がうまくできていないと、マーケティングオートメーションは機能しないと言っても過言ではありません。

 

マーケティングオートメーションを成功に導くためには、シナリオ設計をしっかりと行いましょう。

 

STEP1:見込み顧客の「ペルソナ」作成

マーケティングオートメーションでは、ターゲット層を明確に設定(ペルソナの作成)しなければなりません。

 

法人のペルソナを作成する場合は「法人そのもの」と「担当者個人」それぞれのペルソナを作成しておきましょう。

 

どのような法人と取引をしたいか、そして担当者個人はどのような人物が最も理想的かなど、具体的な性格・性質まで踏み込んで作成するのがコツです。

 

STEP2:カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップの作成も重要です。カスタマージャーニーマップとは、見込み顧客が各段階を経て実際にサービスを使用するに至る過程の想定を時系列で表したものです。

 

カスタマージャーニーマップで見込み顧客が求めているものが何かを把握し、また顧客が現在どの場所に位置しているのかを俯瞰的に確認できます。

 

これによってビジネスのゴール達成に向けた戦略をより具体的に立てることが可能となります。

 

また、マーケティング活動全体のPDCAサイクルを見据えた計画も立てやすくなります。

 

STEP3:シナリオの設計

最後に、マーケティングオートメーションにおける「具体的なシナリオ」を設計します。

上記で解説したステップを元に、それぞれの顧客の検討フェーズに合ったストーリーを作成しましょう。

 

ここまでで、マーケティングオートメーションを導入するために必要な準備は完了です。

 

マーケティングオートメーションの書籍紹介

マーケティングオートメーションに関して、より深い知識を得られる書籍を紹介します。

 

マーケティングオートメーション スペシャリストになるための教科書

 

マーケティングオートメーション_書籍1

 

著者: 株式会社メンバーズ福島信,鶴田純也,村上大典,廣瀬竜也,吉田隼

 

本書はマーケティングオートメーション(MA)の導入から運用までを学ぶ人に向けて書かれた解説書です。

 

シナリオプランニング、効果測定、ツール導入まで、マーケティングオートメーションのプロが詳細に解説します。

 

マーケティングオートメーションの円滑な運用を求めるなら、まず本書は必読と言って良いでしょう。

 

 

マーケティングオートメーション最強の導入手法

 

マーケティングオートメーション_書籍2

 

著者:小池智和

 

マーケティングオートメーションの導入方法について分かりやすくかつ専門的に解説している一冊です。

 

本書では「マーケティングオートメーション×CRM(顧客管理システム)」で、理想のマーケティングオートメーションを実現するための「ロードマップ」を示してくれています。

 

 

マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

 

マーケティングオートメーション_書籍3

 

著者:小川共和

 

マーケティングオートメーションを検討中の方、導入しているが効果が出ていない方にはぜひお読みいただきたい1冊です。

 

本書におけるカスタマージャーニー作成の目的のひとつは「マーケティングオートメーションにそのまま落とせる設計図になること」です。

 

カスタマージャーニーやシナリオの具体的な作成事例を見ながら、シナリオの設計図を作ることができます。

 

 

マーケティングオートメーションで得たリードを活かす方法

マーケティングオートメーションで保有・管理できるリードは適切に処理することでより、成約率の高い上位リードに引き上げることが可能です。

 

ちなみにマーケティングオートメーションが実行できるツールには様々な種類があり、それぞれの状況や自社の課題に応じてツールを選ぶとよいでしょう。

 

マーケティングオートメーションツールでおすすめできるものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

また、このような上位リードとの接触を行う際には気をつけたいポイントがあります。

 

それが「本質的な部分での信頼獲得」です。

 

例えばアポイントの約束・時刻を守れないような営業担当者では、顧客の満足度が低下するばかりか、信頼も得ることができません。

 

そこでマーケティングオートメーションで高度に自動化された顧客管理を行いながら、アポイントの日程調整も自動化するという考え方があります。

 

マーケティングオートメーション_調整アポ

 

調整アポは各種グループウェアやカレンダーツールとの自動連携も可能な「日程調整の効率化ツール」です。

 

こちらはカレンダーツールなどの情報をもとに担当者が対応できる日程を自動的にURLでまとめたものを、顧客に送付することができます。

 

URLの送付を受けた顧客は、予約システムのように対応できる日程の中から相談希望日程を選び、ワンクリックで日程を確定することが可能です。

 

確定したアポイントは自動的にカレンダーに追加され、リマインドもできるためアポイントを見逃すミスを減らし、顧客から信頼を勝ち取ることができるでしょう。

 

マーケティングオートメーションでマーケティングや営業を効率化

 

マーケティングオートメーションはアメリカ発祥で、1990年代初頭から存在する考え方です。

 

特に近年はインターネット環境の普及により、マーケティングオートメーションの考え方を具現化したマーケティングオートメーションツールも多数リリースされており、業種を問わずマーケティングオートメーションの重要性が見直されています。

 

今回ご紹介したように様々なメリットがあることから、積極的に導入していきたい新しい考え方です。マーケティングや営業、ひいては業績全体に影響を与えることができるので、積極的に採用したい施策の1つです。

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