マーケティング
マーケティングコミュニケーションとは?代表的な戦略5選や成功事例を徹底解説
「営業活動の真髄はコミュニケーションにある」とは、昭和の時代からよく言われてきたことです。
そしてこの考え方をより明確に仕組み化したのが「マーケティングコミュニケーション」という考え方です。
マーケティングコミュニケーションは市場(マーケット)に存在する顧客と自社商材を接触させる、一連の活動のことを指します。
ここでは現代のマーケティング活動において必須スキルと言っても過言ではないマーケティングコミュニケーションについて、その考え方から代表的な手法を紹介するとともに、成功事例についても徹底的に解説していきます。
▼目次
マーケティングコミュニケーション=顧客との「双方向」の交流
マーケティングコミュニケーションは市場(マーケット)に存在する顧客と自社商材を接触させる一連の活動のことを言います。
従来の1方向の押し付け型の情報提供・訴求ではなく、顧客の認知や顧客からの能動的な活動を引き出すことによって、より購買を促進させる効果があるのです。
ちなみにマーケティングコミュニケーションはマーケティングミックスで用いられるフレームワーク「4P(販売側から見た4つのP)」・「4C(購買側から見た4つのC)」でも両方に登場するなど、非常に重要な要素として付けられています。
4Pにおいては
- Product(製品またはサービス)
- Place(流通させるべき場所)
- Price(価格)
- Promotion(宣伝・PR)
のPromotionに所属し、
4Cにおいては
- Customer Value(顧客から見た価値)
- Convenience(利便性)
- Cost(価格/コスト)
- Communication(コミュニケーション)
のCommunicationに属するなど、どちらも重要なポイントにあることが分かります。
マーケティングコミュニケーションが重要な理由
マーケティングコミュニケーションが昨今、特に重要な考え方だと認識される理由について解説します。
具体的には以下のような理由・要素が根拠となり、マーケティングコミュニケーションが重要視されています。
- SNSの発達・台頭
- 顧客側の情報収集レベルの向上
- PR手法の多様化
- 購買行動の変容
一つずつ解説していきます。
SNSの発達・台頭
SNSの普及により、企業が顧客の認知を得る機会が増えたことはマーケティングコミュニケーションの重要性を増している大きな要素のひとつです。
従来ではマスメディア広告による認知がほとんどでしたが、ソーシャルメディアの爆発的普及により、企業も顧客に対して直接アプローチをかけることが可能になりました。
もちろん、マスメディア広告によるプロモーション活動は今も変わらず有効です。しかし同時に、消費者側もネットメディアや口コミサイトなどで、企業情報を積極的に収集するようになってきており、企業は今まで以上に顧客に対して「誠実な企業姿勢」を見せていくことが求められます。
この双方向コミュニケーションが実現しつつある中で、各企業は商材と市場のコミュニケーションはもとより、企業そのものと顧客層とのコミュニケーションをより丹念に行わなければならない状況に来ています。
また後述の通り、SNSでのコミュニケーションから新商品がリリースされ、それが爆発的な売上を見せたと言う事例は近年枚挙にいとまがありません。
顧客側の情報収集レベルの向上
顧客側の情報収集レベルの向上も要因として挙げられます。
先述の通りマスメディア広告と肩を並べるほど、顧客側が自分でインターネットを使って必要な情報を検索する「セルフ型」の情報取得が一般的になったこともあり、顧客側は企業の提供するコンテンツよりも自分の興味や関心に応じたものを優先的に調べるようになりました。
これにより、企業側が認知している「売れる商材」と顧客側が本当に欲している「売れる(欲しい)商材」に差異が出てくるケースがあり、このギャップを埋めるという意味合いでもマーケティングコミュニケーションは非常に重要です。
PR手法の多様化
広告媒体の多くがWeb広告にシフトしたことに伴い、顧客に対する訴求の手法も多様化してきています。
これにより顧客に「どんなことを訴求するか」・「どのようなストーリーで語りかけるか」などPR手法も同様に多様化しています。
従来のような広告戦略で単に商品をPRするだけでは、顧客の心に刺さらない時代が来ているというわけです。
このことからマーケティングコミュニケーションでどのような表現や語りかけ形が刺さるのかをマーケティングコミュニケーションによって吸収し、広告プランニングに活用していくことも大切です。
購買行動の変容
上記の総括となりますが、特に令和時代に突入して以降、顧客の購買行動は大きく変容しています。
従来のいわゆる「勝ち筋」のPR手法やマーケティング戦略では、思うような成果が出ないという事例が増えているのです。
このことからもマーケットと自社商材を接触させることにより、どのような広告戦略が取れるか、適切なリード育成手法はどのようなものかなど、実際のセールスとマーケティング・情報収集活動を並行させることが重要です。
この一連の流れこそが、マーケティングコミュニケーションの本質といっても良いでしょう。
マーケティングコミュニケーションにおける5つの基本手法
マーケティングコミュニケーションを実践する上で、まず押さえておきたい基本的な手法をご紹介します。
具体的に以下の5つの手法は、マーケティングコミュニケーションで重要です。
- ダイレクトマーケティング
- 広告・PR戦略
- 販売促進
- イベント開催
- インサイドセールスを含む人的接触
順に解説していきます。
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは「顧客に直接働きかけることで購買意欲を高める一連の活動」を指します。
従来から様々な業種で取り入れられている手法で、近年のマーケティングコミュニケーションの元祖たる存在と言ってよいでしょう。
ダイレクトマーケティングの本質は顧客からのダイレクトなレスポンスを得ることで、関係性を構築したり、より顧客が求めるものを訴求できるように調整する点にあります。
文字通りコミュニケーションをとりながら、長期的な関係を構築していくのです。
広告・PR戦略
広告・PR戦略は、主にマスメディアと呼ばれるテレビ、新聞、雑誌、ラジオなどのメディアを通じて、情報を発信することで、購入や利用を促す一連の活動のことです。
現在でもこの広告戦略が最も重要という位置づけで、かつ費用対効果の高いとされています。
また最近ではWEB広告と従来のマスメディア広告を掛け合わせたクロスメディア戦略を取り入れる事例も増えています。
クロスメディア戦略とは、具体的に解説するとテレビCMで「あるストーリーの第1話のみを放送しておき、第2話以降については自社WebサイトやYouTube動画などで公開する」といった媒体を横断するタイプの広告戦略です。
これによって顧客がより興味関心をもって自社商材をチェックしてくれる、という効果があります。これも一種のマーケティングコミュニケーションです。
販売促進
製品やサービスに付加価値を与え、購買を促すことを目的とした手法であり、購買意欲を高め、意思決定に繋げやすいことが特徴です。
例えば、クーポンやサンプルの配布、割引、試食、店頭POP設置などが当てはまります。
最近ではSNSを活用した販売促進のキャンペーンの実施も増えています。TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSを活用し、一気にターゲット層へリーチして、キャンペーン告知やクーポン配布などを行っています。
イベント開催
近年特に増加傾向にあるのが、展示会やセミナーなどを活用したマーケティングコミュニケーション活動です。
例えば展示会は実際に製品を展示し、そこで得た知見・顧客の反応をもとに顧客ニーズを分析したり、新たな商材展開を検討する場として活用されます。
またマーケティング活動を目的とするセミナーの場合は「参加費無料」「事前予約制」で集客することが多く、その場ですぐに顧客のヒアリングをすることが可能です。
これにより即座のコンバージョンを狙うこともできつつ、セミナー参加者からのフィードバックを得、市場と自社製品を対話させることが可能となります。
最近はウェビナーなどオンラインで開催できるイベントが増えているため、比較的手軽に行いやすい取り組みと言えるでしょう。
インサイドセールスを含む人的接触
営業担当者が直接顧客を訪問するのではなく、インサイドセールス部門を活用して電話・WEBによる商品訴求や問い合わせ対応・アポイントメント獲得を行う手法です。
これは効率の面でも、より多くの顧客へリーチできるという点で非常に有用です。
一般的に営業活動は、接触する回数が多ければ多いほど顧客からの信頼を得られやすいという面があります。これを心理学で単純接触効果といいます。
またインサイドセールスを含む人的接触を行うことにより、丹念なヒアリングが可能となることから結果的にこちらも、市場の需要を適切に吸い上げ、自社の商材のブラッシュアップや戦略の立案につなげられます。
マーケティングコミュニケーションの
4つの戦略手順
マーケティングコミュニケーション戦略を立てる時は、基本的に以下の手順で行います。
- ターゲット・目標・予算の設定
- コミュニケーション内容の決定
- 具体的なチャネルの決定
- コミュニケーションの実施と効果の検証
戦略の目的をしっかりと定めておかないと、効果が十分に発揮されません。
達成されたのかがはっきり分かるようなような計画、効果検証を行いましょう。
マーケティングコミュニケーションの成功事例
特に効果が高く即効性のあるSNSにおけるマーケティングコミュニケーションの成功事例を紹介します。
SHARP株式会社
マーケティングコミュニケーションの話題を取り扱うと、必ずと言って良いほど話題に上るのがSHARP株式会社の「Twitterによるマーケティングコミュニケーション」の成功事例です。
こちらは宣伝ツイートを単純に流すだけではなく、積極的にユーザーとコミュニケーションを取ることで需要の測定や効果的な営業活動に繋げているという特徴があります。
テーブルマーク株式会社(旧称:株式会社加ト吉)
冷凍食品を中心に、食料品製造販売を行う企業であるテーブルマーク株式会社(旧商号は株式会社加ト吉)は「Twitterにおけるマーケティングコミュニケーションの元祖」といってよいでしょう。
2009年頃から同社は公式Twitterで「市場・顧客との『ゆるい』コミュニケーション」をとりはじめます。
このことはいわゆる企業公式アカウントのあり方を大きく変えるきっかけとなりました。
当時「おそれいりこだし」のフレーズで一躍有名となった同Twitterアカウントは顧客とのコミュニケーションや距離を近づけるために運用されており、情報感度の高いネットユーザーを中心に拡散される事例も相次ぎ、爆発的な知名度獲得となりました。
100円ショップ各社
100円ショップ各社は最近、SNSの声から新規の商品を制作するなど活発にマーケティングコミュニケーションを取り入れています。
特に業界大手ダイソーはSNS向けに「店内での写真撮影・投稿」を許可しており(※)、このことはSNS上で同社の製品が話題にのぼることを手助けしています。ダイソーはインスタグラムのライブ配信で新店舗の中継や新商品の紹介を配信しています。
またインフルエンサーが100円ショップの製品を取り上げ紹介することによって極めて費用対効果の高いSNSマーケティングにも成功している事例があります。
※2022年1月現在。「撮影マナーには十分配慮した上で」との呼びかけも徹底されています。
マーケティングコミュニケーションの効果を高める「商談数増加」の方法
このようにマーケティングコミュニケーションは顧客とのコミュニケーションを丹念に行うことにより距離を近づけ、そして実際の接触につなげられるといったメリットがあります。
そしてその中で特に重要な取り組みが「商談数を増加させること」と言えるでしょう。
マーケティングコミュニケーションから吸い上げられたリードは比較的購買意欲が高く、また同社に対して好意的な印象を持っているというケースが多いため、実際の商談やアポイントにつなげることでより高い成約率が期待できるのが理由です。
そして商談数を増加させるとなると、一般的に課題となりうるのが対応リソースの逼迫ではないでしょうか。
こちらについては日程調整という本質的な部分ではない業務を効率化することにより、ある程度の解決を見ることができます。
例えば調整アポというツールは、本来であればメールや電話でやり取りをして相談の日程調整を「すり合わせ」なければならない所、いわゆる予約ツールのような見た目でスムーズに商談・アポイントの日程を設定できる特徴があります。
また営業担当者の活動カレンダーと連携しておくことにより、自動的に対応できる日程を顧客へ提示してくれるという機能もあります。
このようなツールを使用することにより、マーケティングコミュニケーションで獲得できたリードとの「より効率的な商談」を行うようにしたいところです。
このことが事業活動の円滑化及び売上アップに大きく貢献することでしょう。
マーケティングコミュニケーションで購買意欲を高める
今回はマーケティングコミュニケーションの考え方から実践方法、また実際の事例について、解説してきました。
マーケティングコミュニケーションは企業理念や経営方針の浸透はもちろんのこと、顧客との関係構築・維持を実現できる取り組みです。
そのため、マーケティングコミュニケーションの考え方を取り入れると単に「顧客にアピールする」だけでなく、実際に顧客との距離が近づくことで「顧客の購買意欲を高め、かつリピーターになってもらう」という新しいタイプの営業活動が可能となるでしょう。
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