DX推進ガイドラインとは?内容や活用方法、経産省による推進ポイントを解説

DXを推進するためには何らかの指針が必要です。しかし、一から自社で指針を作成するのは容易ではありません。
 
DXを推進する指針となる資料のひとつが、DX推進ガイドラインです。
 
今回は、DX推進ガイドラインの概要とDX推進のポイント、DX推進ガイドラインの活用方法を解説します。
 

DX推進ガイドラインとは経済産業省策定のガイドライン

DX 推進ガイドライン_002
 

DX推進ガイドラインとは、日本の企業がDXを推進するための指針として使用することを想定し、経済産業省が策定したガイドラインです。
 
DX推進ガイドラインの正式名称は「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」となります。
 
前提知識として、DXの内容を知りたい場合は、以下の関連記事をご覧ください。
 
DXとは?2025年の崖の対策としてDX関連の用語をわかりやすく解説
 
DX推進ガイドラインの目的は、主に以下の2点です。
 

  • 企業がDXの取り組みを自主的・自発的に進めることを促す
  • 経営者がステークホルダーとの会話を積極的に行う企業に対し、資金や人材、ビジネス機会が集まる環境を整備

 

出典:デジタルガバナンス・コード2.0|経済産業省
 

DX推進ガイドラインは、DX推進のための経営のあり方や仕組み、DX実現に必要なIT基盤の構築などを、日本企業の経営者層に向けて解説しています。
 
以降では、DX推進ガイドラインの最新情報や概要、関連するDXレポートについて順番に解説します。
 

現在はデジタルガバナンス・コード2.0に

デジタルガバナンス・コードは、以下のように定義されています。
 

デジタル技術による社会変革を踏まえた経営ビジョンの策定・公表といった経営者に求められる対応
 
出典:デジタルガバナンス・コード|経済産業省

 

DX推進ガイドラインとデジタルガバナンス・コードは、利用者の視点から見て統合が望ましいとされました。
 
そのため、現在では両者は統合され、2022年(令和4年)9月に「デジタルガバナンス・コード2.0」として公開されています。
 

DX推進ガイドラインの概要

DX推進ガイドライン(デジタルガバナンス・コード2.0)は、以下4つのテーマで構成されています。
 

  • ビジョン・ビジネスモデル
  • 戦略
  • 成果と重要な成果指標
  • ガバナンスシステム

 

「戦略」のテーマは、「組織づくり・⼈材・企業⽂化に関する⽅策」と「IT システム・デジタル技術活⽤環境の整備に関する⽅策」の2つです。
 
この2テーマは旧DX推進ガイドラインの「DX推進のための経営のあり方や仕組み」「DX実現に必要なIT基盤の構築」に相当します。
 
デジタルガバナンス・コード2.0の各テーマは、以下項目が定義されており、DX推進を進める企業の参考となる構成です。
 

  • 柱となる考え方
  • 認定基準
  • 望ましい方向性
  • 取組例

 

DXレポートとは

DXレポートとは、経済産業省が発表している日本のDXについて分析したレポート群の総称です。2022年11月現在、以下4つのレポートが公表されています。
 

 

DX推進ガイドラインとともにこれらのレポートも読むことで、経営者は自社の現状および課題を整理できるようになります。
 

DX推進に求められる3つのポイント

DX 推進ガイドライン_003
 

ここで改めて、DX推進に求められるポイントを整理しましょう。ポイントは以下の3点です。
 

  • 経営トップのコミットメント
  • 経営戦略・ビジョンの提示
  • DX推進のための体制整備

 

特に、「経営トップのコミットメント」は、DX推進には不可欠です。各ポイントについて順番に解説します。
 

経営トップのコミットメント

ビジョンや経営戦略は企業経営の根幹に関わるため、経営トップがDX推進にコミットメントする必要があります。
 
DX推進は全社レベルで対応する施策であり、経営トップや幹部の強力なリーダーシップが必要な場面がいくつも出てくるでしょう。
 
また、ビジョンや経営戦略を明確化するフェーズでも、経営陣は主体的に関わらなくてはなりません。
 
DX推進対応の部署だけが頑張るという事態を避け、DX推進を成功させるためにも、経営トップのコミットメントは、DX推進のもっとも重要なポイントです。
 

経営戦略・ビジョンの提示

ビジョンや経営戦略が決まったら、ステークホルダーに対して提示することも、DX推進上重要なポイントです。
 
DX推進には、ビジョンや経営戦略が欠かせません。
 
これらを定めることで、DX推進の目的が初めて明確化できます。
 
業務の効率化だけでなく、新たな価値を提供するためにビジネスモデルやサービスなどの創造なども検討しなければならないでしょう。
 
ビジョンや経営戦略を株主や従業員など、各方面のステークホルダーに提示できるレベルに明確化することで、自社のDX推進をぶれずに進められるようになります。
 

DX推進のための体制整備

DX推進のためには、全社レベルの体制整備が必要です。
 
そのためには、主に以下の取り組みが必要となります。
 

  • DX推進の専門部署設置
  • 専門部署のDX推進をサポートする体制作り
  • 積極的に挑戦するマインドセットを醸成する仕組み作り
  • DX人材の確保と育成

 

DX推進は多くの作業が必要となり、専門の知識も必要です。
 
社内にDX推進専門の部署を作り、DX推進をサポートする体制を整備しなければなりません。
 
社内ではDX人材を調達できない場合は、コンサルティングなどを利用して、外部から人材を調達すると同時に社内の人材育成も進める必要があります。
 
また、業務の変革や新ビジネスの創造など、DX推進には変化がつきものです。
 
そのため、失敗を恐れず積極的に挑戦するマインドセットを社内で醸成するための仕組み作りも検討しましょう。
 
体制や運用ルールが整備されれば、DX推進を進めやすくなります。
 

DX推進ガイドラインの活用方法

DX推進ガイドラインの概要とDX推進に求められるポイントを把握できれば、DX推進ガイドラインの具体的な活用も可能です。
 
ここでは、DX推進ガイドラインの活用方法として、デジタルガバナンス・コード2.0を利用した活用方法を3パターン紹介します。
 

自社の現状把握

デジタルガバナンス・コード2.0の各テーマには「望ましい方向性」が記載されています。
 
例えば、戦略の「組織づくり・⼈材・企業⽂化に関する⽅策」には、望ましい方向性として以下が記載されています。
 

デジタル戦略推進のために各人(経営層から現場まで)が主体的に動けるような役割と権限が規定されている。
 
社外リソースを含め知見・経験・スキル・アイデアを獲得するケイパビリティ(組織能力)を有しており、ケイパビリティを活かしながら、事業化に向かった動きができている。
 
デジタル戦略推進のために必要なデジタル人材の定義と、その確保・育成/評価の人事的仕組みが確立されている。
 
人材育成・確保について、現状のギャップとそれを埋める方策が明確化されている。
(以下略)
 
出典:デジタルガバナンス・コード2.0|経済産業省

 

望ましい方向性をチェック項目としてチェックリストを作成し、自社の現状がどうかを項目ごとにチェックすれば、現状把握が可能です。
 

課題の洗い出しと対策方法の検討

先ほどの方法で、DX推進に関する自社の現状把握が完了すれば、自然と課題が洗い出せます
 
自社が望ましい方向性を満たすために必要な取り組みは、デジタルガバナンス・コード2.0の取組例を参考にし、自社組織に合わせて変更すると良いでしょう。
 
デジタルガバナンス・コード2.0に記載されている4つのテーマすべてにおいて、自社の現状把握および課題の洗い出しと対策方法の検討を進めます。
 

優先順位付けとロードマップ策定

課題の洗い出しと対策方法の検討が終了したら、各課題の優先順位付けを行います。
 
影響度が大きく、早く対応しなければならない課題から、ある程度DX化が進んだ段階で取り組んだ方がよい課題などを見極めてください。
 
優先順位付けが難しい場合、DX専門のコンサルタントに相談するなど、外部の人材を利用することも検討すると良いでしょう。
 
課題の優先順位付けが完了したら、DX推進の具体的なロードマップを作成しましょう。
 

まとめ

DX推進ガイドラインは、経済産業省が策定したDX推進の指標となるガイドラインのことです。
 
現在ではデジタルガバナンス・コードと統合されてデジタルガバナンス・コード2.0として発表されています。
 
日本の企業がDX推進を検討する上で参考になるため、DX推進ガイドライン(デジタルガバナンス・コード2.0)は、経営陣やDX推進部署の人は熟読しておきたい資料です。
 
オフィスにまつわるDXを考えるなら、クラウド受付システム「RECEPTIONIST」の導入はいかがでしょうか。
 
RECEPTIONISTは、来客予約や対応をデジタル化し、業務の効率化やコストダウンに役立ちます
 
クラウド受付システムが気になる方は、ぜひ「RECEPTIONIST」にお問合せください!
 

オフィスDXの第一歩として「受付のDX」から始めよう!

・リモートワーク環境が整わず、出社しなければいけない従業員がいる
・社内をフリーアドレスにしたいけど移行できずにいる
来客対応がアナログなまま効率化できてない
経団連が発表した「来訪者履歴」が自動で取れていない
会社で利用するビジネスチャットをベースに効率化をしていきたい
 
などの課題があれば、RECEPTIONISTで即解決しましょう!

無料資料で詳細を見る

RECEPTIONIST資料請求

  • RECEPTIONISTの紹介
  • RECEPTIONISTの紹介

日程調整がコピペで終わる...?

最新ツールを今すぐ見る