今からでもテレワークを推進すべき7つの理由と普及率の現状
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テレワーク推進は、働き方改革の実行など、もともと政府主導で行われてきました。
近年では新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、導入する企業数が増えているのが現状です。
本記事では、テレワーク推進の取り組みや導入の状況についてご紹介します。
テレワーク導入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
テレワークとは?政府が牽引するテレワーク推進の取り組み
テレワークとはICT(情報通信技術)を利用した、時間や場所に固定されない柔軟な働き方のことです。
総務省によれば、事業主と雇用関係にある人の場合、働く場所によってテレワークは次の3種類に区分されます。
- 在宅勤務
- モバイルワーク
- サテライトオフィス勤務
企業の就業規則にテレワーク勤務についての規定があれば、在宅勤務であっても労働基準法や労災などの適用が受けられます。
テレワークはいつから推進されているのか?
ここでは、いつから政府によるテレワーク推進の動きが始まったのか、その変遷について見ていきましょう。
年 | 概要 |
---|---|
2005年 |
テレワークフォーラム設立 ※テレワーク関係4省(総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省)の呼びかけにより実現 ※日本テレワーク協会、日本テレワーク学会、民間企業等が参加 |
2012年 | 「在宅勤務での適正な労働時間管理の手引き(厚生労働省)」発行 |
2016年 |
世界最先端IT国家創造宣言(2016年5月20日閣議決定) ニッポン一億総活躍プラン(2016年6月2日閣議決定) テレワーク推進企業ネットワークの立ち上げ(2016年11月28日) ※62団体の参加によりスタート |
2017年 |
働き方改革実行計画(2017年3月28日働き方改革実現会議決定) 経済財政運営と改革の基本方針2017 未来投資戦略20172016(ともに2017年6月9日閣議決定) |
2020年 | 新型コロナウイルス感染症「出勤者7割削減を実現するための要請」 |
テレワークはなぜ必要なのか?
テレワークが必要とされる理由はさまざまですが、まず政府の観点からすると、社会・企業・労働者が抱える課題を解決できるというメリットがあります。
対象 | メリットの概要 |
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社会 |
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企業 |
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労働者 |
|
また労働者の意識の変化も大きな要因です。
「マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査」によると、過去10数年間にわたって「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」という就職観やニーズが上位を占めていることも無視できません。
リクルートマネジメントソリューションズによる「『働き方改革』に関する意識・実態調査」でも、個人面の成果として「働きがいを感じやすい」「燃え尽き症候群や仕事に無意味さを感じにくい」との回答が得られています。
出典
2023年卒大学生就職意識調査 | マイナビキャリアリサーチLab
【調査発表】「働き方改革」に関する意識・実態調査|リクルートマネジメントソリューションズ
このように個人の働き方への志向と政府の方針が一致している点が、テレワークが必要とされる理由です。
テレワークを推進すべき7つの理由
テレワークが推進される理由とは一体何でしょうか。テレワークを導入することによって、企業には一体どのような効果が見受けられるのでしょうか。
テレワークを導入することで期待できる効果などテレワークが推進される理由を7個取り上げていきます。
1. 優秀な人材の確保
1つ目は、優秀な人材を確保できる点です。テレワークを推進することによって、その可能性が大いに広がります。
テレワークは働く場所を選ばない働き方のため、国内外の離れた場所に住む人も働くことができます。
そのため、より専門性知識を持った人材や多くの経験を積んだ人材、貴重なスキルを持った人材など優秀な人材を国内や海外から広く募集することができます。
2. 労働力不足を補う
2つ目は、1つ目に関連して労働力不足を補える点です。家庭環境の変化により、育児や介護を理由に従業員が離職して、それに伴い、労働力不足が発生している企業も少なくないでしょう。
このような課題を解決したいときにテレワークが推奨されます。なぜなら、テレワークを導入することによって、自宅で業務ができるようになり、会社を退職しなくても育児や介護と両立する機会を提供することができるからです。
通常の会社に出社する場合と比べると、より人材確保がしやすくなるでしょう。現在、在籍中の従業員の離職率を下げることにつながります。
3. 従業員のワークライフバランスの推進
3つ目は、従業員のワークライフバランスの推進ができる点です。近年では、仕事だけでなく私生活を重要視する、または仕事と私生活の両立を重視する傾向が増えてきています。
このワークライフバランスを推進するためには、テレワークが向いています。テレワークにすることによって、仕事の時間場所の自由度が高まるため、自分に合ったワークライフバランスを取りやすくなるためです。
家族の時間や趣味の時間を増やすことも可能です。
4. 生産性の向上
4つ目は、生産性の向上が見込まれる点です。テレワークは個々で仕事ができるため、不要不急の打ち合わせや来客対応、電話受付等の業務が発生しない分、生産性が上がるという意見があります。
また、オフィス出社が不要になることで通勤による負荷軽減にもつながります。全国平均である1日あたり70分程度の時間が削減されることはもちろん、通勤時、満員電車に乗る人も多く、その時間は肉体的にも精神的にも負担となっている可能性が高いです。
そんな通勤時間を、自宅や自宅近くのオフィスで仕事ができるテレワークの導入によって削減することができます。
5. コスト削減
5つ目は、コスト削減ができる点です。テレワークを実施することによって、通勤の必要性や書類の印刷の必要性が低くなり、その費用を抑えることができます。
具体的には、通勤不要による交通費の削減、書類の配布が電子化してインターネット上での共有となるため、印刷用紙や印刷用インクなどの印刷コストやその保管スペースの削減などです。
6. 多様な働き方の確保
6つ目は、多様な働き方の確保ができる点です。
テレワークを導入することによって、自宅やカフェやホテル、サテライトオフィス、ネットカフェなどインターネット環境のある場所ならどこでも働くことができ、働く場所や時間に制約がなくなり、多様な働き方をすることが可能となります。
今や人々の生活環境や働き方は多様化・個別化しており、多様な働き方を受け入れることは、企業が生き残るための重要な手段です。
働き方改革で多様な働き方の選択や柔軟な働き方が求められ、ニーズが高まっている状況に対応していくためには、テレワークは重要なのです。
7. 事業継続性の確保
7つ目は、事業継続性の確保ができる点です。コロナなどの感染症の蔓延や震災やテロなど事業が継続できないようなことが発生した場合に、素早く事業を再開あるいは継続することに役立ちます。
通勤の際に満員電車に乗る必要がなくなり、コロナなどの感染症にかかるリスクを抑える効果や、テレワークをすることによって震災やテロに合うリスクを分散するなどのリスクマネジメントにつながる一面もあるのです。
テレワークが進まない?実現するための施策
ここでは、テレワークが進まない理由や、実現するための施策について見ていきましょう。
テレワークをなぜしないのか?なかなか普及しない理由とは
テレワークの導入状況は、新型コロナウイルス感染症への対応もあって伸びを見せており、2021年における導入企業の割合は「51.9%」にのぼります。
出典:令和3年通信利用動向調査の結果(概要)|総務省
一方、東京商工会議所の調査によると、東京23区内の中小企業のテレワーク実施率は「37.8%」(2022年2月)でした。
下図は2019(令和1)年12月、2020(令和2)年5月、2020(令和2)年12月の時点での「地域別テレワーク実施率(就業者)」を比較したグラフです。
出典:第2回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査|内閣府
これを見ると、テレワーク実施率の地域格差が非常に大きいことが分かります。
総務省によるテレワーク導入企業の割合が51.9%という数値は、100人以上の企業を対象としていることから、地方の中小企業におけるテレワーク実施率はもっと低いと考えられるでしょう。
「令和3年通信利用動向調査の結果(総務省)」によると「テレワークを導入しない理由」は次のとおりです。
- テレワークに適した仕事がないから(81.7%)
- 業務の進行が難しいから(36.6%)
- 文書の電子化が進んでいないから(16.0%)
業務の進行の難しさや文書の電子化の遅れについては、政府や自治体が用意している支援を受けると解決する余地があるかもしれません。
テレワーク推進に役立つ助成金や補助金などの支援
ここでは、テレワーク推進に役立つ政府や自治体の助成金等の支援についてまとめました(2022年7月現在)。
申請方法など詳細については、各支援の公式ページをご確認ください。
支援の名称 | 主体 |
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令和4年度人材確保等支援助成金(テレワークコース) | 厚生労働省 |
IT導入補助金 | 経済産業省 |
テレワーク課題解決コンサルティング | 東京都 |
デジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生テレワークタイプ) | 内閣府 |
相談窓口や先進的な取り組みの事例
総務省はテレワーク・サポートネットワーク事業を立ち上げ、相談窓口やセミナー・相談会の開催情報を公開しています。
総務省と厚生労働省は、労務管理やICT活用の相談やコンサルテーションが受けられるテレワーク相談センターの活用を呼びかけるほか、労務管理をサポートする「テレワークモデル就業規則作成の手引き(厚生労働省)」を作成しているので参考にされてはいかがでしょう。
先進的な取り組みの事例については、厚生労働大臣表彰である「輝くテレワーク賞」受賞企業などがテレワーク総合ポータルサイトで紹介されています。
まとめ
テレワークの拡大とともに「誰のためのテレワーク?近未来社会の働き方と法」という本が出版される一方、最近では怪しいテレワーク副業も見られます。
これらは、柔軟な働き方へのニーズが高いことを示しているのでしょう。
企業がテレワークを導入する場合には、就業規則の規定など労務管理にも配慮することが大切です。
政府はテレワーク相談センターを設けているので、コンサルテーションを受けてみてはいかがでしょう。
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