『フレキシブルオフィス』は新しい働き方に適応する新たなオフィス環境

近年注目を集めるフレキシブルオフィスについてご存じですか? 
 
ここでは、フレキシブルオフィスの種類や特徴、メリット・デメリットなどを整理して解説します。
 
会社の規模や働き方のスタイルに即したフレキシブルオフィスを選び、従業員の満足度を向上させるとともに、より効率のよいビジネスを進める一助としてください。
 

フレキシブルオフィスとは

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出典:Ergonomics & Office Chairs, Explained| Office Designs Blog
 

フレキシブルオフィスは、従来のオフィスと比べると「より柔軟な契約スタイルを持ち自由度が高いオフィス」の総称です。
 
フレキシブルオフィスと呼ばれるものの中には、「コワーキングスペース」「シェアオフィス」「サービスオフィス」「レンタルオフィス」といったオフィスサービスが含まれます。
 
ここでは、フレキシブルオフィスの概要や現在の市場規模、今後の見込みなどを解説します。
 

柔軟な契約スタイルと自由度の高さで注目を集める

「フレキシブル」には「柔軟な」という意味があります。
 
フレキシブルオフィスは、その名の通り、一般的な賃貸借契約より柔軟な契約スタイルを持ち、独自の利用規約に基づいて提供されるオフィスサービスの総称です。
 
どのようなサービスが提供されるサービスかについてはそれぞれで異なりますが、企業の社員からフリーランスまで、幅広い層が利用できます。
 
大企業の社員が大人数で利用できるものからフリーランス・起業家向けのごく少人数用まで、ソリューションは多岐にわたっています。
 
フレキシブルオフィスは、一般的な賃貸借契約と比べると、契約規模の変更や短期契約も容易です。
基本的なオフィス機能を備えているため、入居準備や解約にともなう費用・工数などを必要最小限に抑えることができ、さまざまな面で利用しやすいといえるでしょう。
 

フレキシブルオフィスの市場規模は拡大中

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出典:フレキシブルオフィス市場調査2022 | ザイマックス総研の研究調査
 

ザイマックス不動産総合研究所は、これまで数年にわたりフレキシブルオフィスの市場規模を調査しています。
 
この結果は、東京23区内で提供されるフレキシブルオフィスの拠点数と面積を調査したものです。
 
この調査によると、2022年1月段階での東京23区内におけるフレキシブルオフィスは1,080拠点で、総面積は約21.4万坪となっています。
 
2020年1月の同調査(同年改行予定のものまで調査対象)で東京23区内のフレキシブルオフィスが合計569件、2011年時点では46件であったことを考えると、その需要は急拡大しているといってよいでしょう。
 
コロナ禍におけるオフィス感染対策としても、都心とその周辺の市場規模は今後さらに大きくなると見込まれています。
 

フレキシブルオフィスが大きな注目を集める理由

近年の働き方改革によって、働き方の多様化が進んでいます。
 
さらに、コロナ禍によって、テレワークを導入する企業が急増しました。
 
フレキシブルオフィスは、テレワークの導入を推し進める企業と、自分らしい働き方や子育てと仕事の両立を模索する社員の双方にとって、仕事に適した環境が整備されているフレキシブルオフィスには大きなメリットがあると考えられています。
 
また、コロナのような非常事態における事業継続計画として「オフィス分散化」をはかる動きもあり、フレキシブルオフィスは現在のオフィスの課題解決の糸口と目されているのです。
 

多様化・細分化するフレキシブルオフィス市場の概要

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出典:開放感に溢れた、フレキシブルに働ける魅せるオフィス|オフィスデザイン事例|ヴィス
 

フレキシブルオフィス市場では現在、提供されるサービスタイプが多様化・細分化されつつ
あります。
 
フレキシブルオフィスは、「コワーキングオフィス」「シェアオフィス」「レンタルオフィス」「サービスオフィス」「バーチャルオフィス」といったさまざまなオフィスサービスの総称で、それぞれのサービス内容やターゲットは異なっています。
 
ここでは、量的な拡大が続くフレキシブルオフィスがどのような特徴を持って多様化・細分化されているのかを紹介します。
 

他業種と活発な交流ができ、低コスト:コワーキングスペース

「コワーキングスペース」では、比較的リーズナブルな料金で利用でき、複数の企業や個人が1つの空間を共有します。
 
そのため、異なるバックボーンを持つ人たちによる交流が活発で、他業種とつながりやすいのが特徴です。
 
仕事に必要な空間を低コストで利用したい、他業種と交流したいという人におすすめですが、専用の個室や占有スペースなどはありません。
 

1つの空間を企業や個人でシェアして利用する:シェアオフィス

契約した企業や個人で1つの空間をシェアして利用するのが「シェアオフィス」です。
 
個室タイプのフレキシブルオフィスより低コストで、個人で利用できるのが特徴です。
 
さほど料金が高くないため、多くの人がテレワークの拠点として利用しています。
 
「コワーキングスペース」よりオフィス機能が充実していることが多く、スタートアップ企業の拠点や、徐々に増加させる拠点の一つとして利用されることも少なくありません。
 

個室スペースを確保し、セキュリティ面で優れる:レンタルオフィス

「レンタルオフィス」は、個室スペースを確保できるのが特徴のフレキシブルオフィスです。
 
共有スペースで仕事をせずにすむため、情報漏洩リスクを抑えられるのがメリットです。
 
利用する人数や目的に応じて個室の大きさを選べるものが多いのも、「レンタルオフィス」のメリットの1つといえるでしょう。
 
鍵付きの占有スペースがあるため、資料や書類、パソコンなどの機器を置いておくことも可能です。
 

受付業務・秘書業務などを行なうスタッフが常駐する:サービスオフィス

業務に集中できるよう、受付業務や秘書業務を行なうスタッフが常駐してくれる個室タイプのフレキシブルオフィスが「サービスオフィス」です。
 
「コワーキングスペース」「シェアオフィス」と比べるとコストはかかりますが、通信インフラやオフィス家具など、仕事のできる環境を整える初期費用やランニングコストを抑えられます。
 
提供されるサービスの充実度、堅固なセキュリティなども魅力です。
 

オフィスの住所を貸し出し、法人登記が手軽になる:バーチャルオフィス

「バーチャルオフィス」は、オフィスの住所だけを貸し出すフレキシブルオフィスです。
 
共有スペースや占有スペースなどはありません。
 
名刺に印字する住所、特定商取引表示に記載する住所、法人登記に利用できる住所などを求めている人におすすめですが、自宅で仕事をしている場合でも、取引先に自宅住所を教えずに済むというメリットがあります。
 
「バーチャルオフィス」の中には、郵便物の受け取りサービスや転送サービスを提供しているものもあります。
 

内装工事済みで設備も整う:セットアップオフィス

「セットアップオフィス」は、内装工事がすんでいるフレキシブルオフィスを指します。
 
オフィス用の家具や什器などを備えたものも多く、仕事用の機器や道具さえ持ち込めば、ごく短期間でオフィスとして利用できるのが特徴です。
 
初期費用を抑えつつ、できるだけ早くオフィスを用意したいという企業におすすめです。
 
さらに、プロデザイナーの手による内装が施されているものもあり、企業のブランディング効果を見込めます。
 

フレキシブルオフィスのメリット・デメリット

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出典:Flexible Office Spaces | Operandum
 

現在急拡大を続けているフレキシブルオフィスですが、それぞれの形態にメリット・デメリットがあります。
ここでは、フレキシブルオフィスのメリット・デメリットを確認しましょう。
 

メリット1 契約形態が柔軟で、ビジネス環境の変化に対応しやすい

フレキシブルオフィスの契約は、一般的なオフィスの賃貸借契約とは異なり、長期のリース契約などが必要ありません。
 
契約形態は柔軟で、ビジネス環境が変化した場合も対応しやすく、オフィスの拡大や移転に大きなメリットがあります。
 
時機に応じて契約を見直せるため、余分なスペースをあらかじめ確保しておく必要もなく、稼働率に見合ったスペースを用意しやすくなります。
 

メリット2 初期コスト・ランニングコストを大幅な軽減できる

フレキシブルオフィスでは、通常の賃貸オフィス契約に必須の保証金や、オフィス家具・家電、インフラなどへの初期費用が必要ではありません。
 
人員や組織の変動がある場合も、契約の柔軟さから、そのときどきに必要なだけのワークスペースを契約できるため、無駄なコストがかかりません。
 
また、オフィス機能を管理せずにすむため、ランニング費用も不要です。
 
オフィス移転などに際しては、準備期間にかかる賃料なども抑えられるといったメリットがあります。
 

メリット3 居住地を問わずに優秀な人材を確保しやすい

フレキシブルオフィスを活用すると、働く場所にとらわれることがなくなります。
 
居住地を問わず幅広い地域から人材を採用でき、採用時に多様な働き方ができることをアピールできるため、優秀な人材を確保しやすいのもフレキシブルオフィスならではのメリットといえるでしょう。
 
さらに、子育てや親の介護といった問題で通勤できない人に働く場を用意しやすいため、離職率の低下にもつながります。
 
雇用する人材が増えた場合でも、フレキシブルオフィスの活用によって、本部オフィスの面積を増やさずに対応できるのも大きなメリットでしょう。
 

メリット4 コストを抑えつつ複数拠点を持つ可能性が高まる

フレキシブルオフィスでは、費用を抑えて月単位で契約できるため、拠点を複数保有するリスクを抑えることができます。
 
社員数に合わせた小さな拠点を複数有するスタイルが選択できるため、複数の拠点を持つのも容易になるでしょう。
 
都内に複数の拠点を構える、全国的に複数の拠点を確保するといった選択も可能で、出張やテレワーク用に活用することもできます。
 
月単位で契約すれば、新しい拠点をいちから借りるより少ないリスクで運用も可能です。
 

デメリット セキュリティ面でのリスクが高まる可能性も

フレキシブルオフィスは、共有スペースを利用するのが基本です。
 
このため、セキュリティ面でのリスクが高まる可能性が否定できません。
 
共有スペースでのセキュリティリスクに備えるため、業務で使用する書類やデバイスの管理を徹底する必要があります。
 
企業は、セキュリティ管理を徹底したデバイスを従業員に貸与する、セキュリティ教育を強化するといった対策をとらなければならないでしょう。
 
セキュリティ面を重視する場合は、個室タイプのフレキシブルオフィスを利用するという選択肢もあります。
 
予算に余裕がある場合は、ぜひご検討ください。
 

まとめ

現在急拡大を続けるフレキシブルオフィスについて、その定義や市場規模を解説し、オフィスごとの特徴を紹介しました。
 
フレキシブルオフィスは、働く場所の選択肢が増えるだけでなく、契約の柔軟性や初期コストの軽減、優秀な人材の確保といった側面からも大きなメリットを持っています。
 
現代に即した働き方という意味でも、ぜひ注目すべきオフィスサービスといえるでしょう。

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